議会報告・2002年 2月

請願第1号
『出流原弁天池の水資源と県指定史跡名勝天然記念物の自然環境に関する請願書』
は採択すべきだ.

○1番(岡村恵子君)

 ただいまより請願第1号出流原弁天池の水資源と県指定史跡名勝天然記念物の自然環境に関する請願書について、付託された経済文教常任委員会では不採択という報告でした。採択をすべきであるという立場で、不採択には反対の討論をさせていただきます。

 請願の理由の(4)に、「このたびの磯山鉱山跡の開発工事は、地域住民の合意がなされないまま進行しています。合意を得ていない工事は、直ちに中止せさるべきです。」となっています。

 初めに、事業者の再開の認可を出した関東経済産業局、旧通産省の資源エネルギー部工業課非金属係の話では、今事業者がダイナマイトをかけている場所、地元住民に示された施業案、約3万坪を平地にする計画の北東約半分近くに当たる部分について、平成12年6月29日に事業者が関東経済産業局に申請を出されました。この業務の再開の申請について、2ヵ月後の8月24日に認可を出したとのことでした。

この間、工業課と監督をする保安監督局で協議をしてきているとのことでした。そして、平成12年11月に専門指導員を現場に派遣をして、水脈などの影響がないようにという指導がなされてきているとの話でした。

そして、この事業者が過去に何か事故や周りからの苦情がなかったということから、それ以外の特別な指導はしてきていないとの話でした。そして、平成13年10月19日に再開届が出されて、受け取っただけで許可をしたとのことでした。

その後、再開の許可がおりた次の月に当たります平成13年11月からダイナマイトがかけられ始めたとのことですから、何も知らされていなかった地元住民は何が起こったかと思うのは当然の成り行きではなかったかと思います。

請願書の中では「寝耳に水のダイナマイト爆破工事におびえながら生活しています。」という表現をしております。

そして、さらに平成13年9月19日に約3万坪、平面にする計画の西側約半分の地についても、その施業案が申請をされ、まだ認可がおりてきていない状況のようです。この西側の土地には、出流原町会の持っている土地もあるということで、地元住民に対し、説明会などを開いてよく話し合うようにという指導をしてきているとの関東経済産業局の話でした。

事業者が地元住民に説明と話し合いを始めたのが事業者が示した書類でも明らかのように、平成13年12月吉日となっていることからも、町会の全部の班の方に説明会が終わったのが平成14年1月31日ということですから、地元住民からすれば先ほど申しましたように、ダイナマイトがかけ始まった後に知らされたということになります。

さらに、事業者が地元住民を集めて開いた説明会で、提出した書類の中に次のようなものがあります。「あいさつ」という中に、「ごあいさつ。出流原町会の皆様へ。弊社は磯山弁財天、湧釜神社、弁天池、赤見温泉と北関東自動車道路のパーキングエリア、(仮称)出流原パーキングエリアが直結して一体となった地域振興施設を計画するために、後山から弁天様までの石灰鉱山の閉山を行い、約3万坪の平らな土地を創出しようと考えております。」間を略しまして、「休止鉱山は鉱業法により永久管理が鉱山会社に義務づけられており、このままの休止鉱山の状態では振興計画どころか人の立ち入りすら禁止されておるのが現状です。また、鉱山業の監督官庁は経済産業省、旧通産省であり、この振興計画を公共事業で行う場合もその事業主体、例えば佐野市や公団などに同様の鉱山の閉山を行う義務が課せられることになります。」と述べております。

それから、やはり事業者が示した資料の中に、採掘計画断面図及び平面図というその説明の中に、「A、各断面図の左側に地面の高さ、海抜が記されていますが、監督官庁の指導書で弁天池のわき水の高さが約59メートル、海抜であるから70メートル以下は掘削すべきではない旨のご指導に従い、採鉱のレベルを70メートルの計画にしておりますが、最終的に75メートルがよいのか、80メートルが妥当なのかは町会の皆様のご意見を拝聴した上で、道路公団の本線の計画やパーキングエリアの計画の高さとすり合わせをして、安全で合理的な閉山の高さを考えてまいります。」

また、「B、採掘計画平面図の右上に記される青い線が北関東自動車道路の中心を表した線です。この線を中心に、道路構造の幅はその構造によって変化しますが、全部の幅で約35メートルから50メートルと予想されます。また、パーキングエリアは県道山形寺岡線の西側、片柳鉱山側で検討中との行政サイドのお話でした。」。

それから、事業者が出流原町会に土地賃貸借契約書案を示した中身の中に、「第2条、事業者乙は本件土地を鉱業法に基づき掘削及び鉱物採取を行い、鉱業法に基づく採掘権に関する施業を終了させた上で、開発行為に基づく造成事業を行い、その事業による土地の使用を目的とする。」ここに目的もきちんと述べられております。

ですから、請願の理由の中に述べられているような、「@、(1)の中に片柳鉱山等が計画している磯山開発は、出流原弁天池の水資源枯渇に甚大な影響が憂慮されます。特に、水脈層が複雑な石灰岩断層で形成されているだけに、ダイナマイト爆破工事開発は基本的にしてはならない地層です。すなわち現状保全が基本です。」。

(3)に、「弁天池を水源とした出流川の水資源が枯渇すれば、下流700ヘクタール(佐野、足利両市の農地)に及ぶ水田耕作は不可能となります。まさしく農業者の死活問題です。」と述べております。

この部分について、事業者が気をつけるということだけのものとせずに、このように地元住民が心配しているような水脈などへの影響に対する影響調査を市としても徹底して行うべきではないでしょうか。周りの環境に対し、影響を与えるということになれば、地元住民にとって大変なことになるということも考えられます。

そして、請願の理由の(2)の中には、「磯山周辺の森林は、弁天池及び楼閣を主体とした独特な名勝地の景観です。これに開発の手を加えることは、自然景観と文化財の破壊です。片柳鉱山が示している写真構図からも明らかです。」という部分でも、市議会としましても地元住民と事業者、行政との関係で、仮にこの開発事業を進めるのであれば納得いく話し合いをさせるべきと考えます。

そして、ダイナマイト爆破などでの被害という点でも調査もして、必要があれば補償もさせるべきではないかとも思います。市としても、国や県の認可にかかわることだからということだけではなく、これだけ地元住民が不安を持ち、憂慮していることに対して、そして開発計画があるのなら何よりも住民を無視した形で進められていることに対して地元住民の意思を尊重する観点に立つべきと考えます。

以上のような理由で、請願第1号に対し、不採択には反対であり、採択すべきと考えます。.以上です。

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