1.子供たちへの豊かな保育、子育ての保障
2.孤独死防止対策強化について
3.入れ歯回収ボックス設置について

議会報告・2007年(H19)第4回定例会
12月13日(木)質問と答弁(全文)

・保育園,学童保育・孤独死防止対策の強化・入れ歯回収ボックスの設置

○議長(高橋功) 1番、岡村恵子議員。
(1番 岡村議員登壇)

◆1番(岡村恵子) それでは、ただいまから一般質問を行わせていただきます。

 1つ目に、子供たちへの豊かな保育、子育ての保障についてお聞きいたします。特に今回は保育園の問題と学童保育についてお聞きいたします。

 1947年、児童福祉法が制定され、保育所の位置づけが明記されました。このことにより、全国どこにいても子供に必要な保育が受けられるようになったわけです。当時は受け持ち人数も多く、ゼロ歳児でも10対1であったり、多くの保育所では2歳児からの受け入れでありました。保育時間も9時から4時までで、保育所の数も保育条件も極めて貧しい状況であったと言えます。

 1960年以降は「ポストの数ほど保育所を」をスローガンに、全国で保育所づくりの動きが強まり、現在児童福祉法では国と自治体に3つの責任を求めております。

 その1つは、国と自治体に保育実施責任を求め、これは保育所を整備したり保育条件を改善したり、保護者に過重な負担を課さないよう、所得に応じた適正な保育料を設定することなどです。
 2つ目は、日本のどの地域の保育所でも一定水準以上の条件で保育するように施設や設備、運営に関する最低基準を定めていることです。
 3つ目には、どの地域でも一定の保育水準を確保するために、保育所の整備や運営費を国と自治体が負担することを定めております。

 これは言い方を変えれば保育所経費の公費負担の責任です。今やさまざま充実し、産休明け保育や長時間保育、一時保育、休日夜間保育、病後児保育への助成や職員配置など、最低基準の改善もなされてきました。しかし、日本の保育制度はすぐれた制度にはなっておりますが、残念ながら予算の不十分さや、また基準の貧しさなど、制度の運用に問題があるために十分に機能していないのが実情となっています。

 政府はこの間、少子化対策を言いながら、保育所運営費の一般財源化や交付金化により、国の責任を後退させてきております。ですから、保育の現場では規制緩和と予算の削減などによって正規職員と非正規雇用への置きかえが進んでいると言わなければなりません。そして、待機児童も一向に解消できる状況にはなっておりません。この間、障害児保育の補助金が削られ、2007年からは乳児保育の補助金も廃止されてきました。そして、今政府と財界は、この積み上げられてきたこれらの制度を保育所と保護者が契約する直接契約方式に変え、保育を市場化することを主張し、保育にかかわる公費負担を減らし、営利企業の参入を促しています。

 こういう中、2006年12月の第165臨時国会で保育、学童保育、子育て支援施策の拡充と予算の大幅増額を求める請願が全会一致で採択されました。この請願の一文を紹介いたしますと、「子供は未来の希望です。どんな地域、どんな家庭に生まれても無条件に愛され、よりよい保育を受け、幸せに育つ権利があります。今子供の権利を最優先に国際的にも低い水準にある日本の保育、子育て予算、家族支援予算を抜本的に改善し、国と自治体が責任を負う現行の保育制度の堅持、拡充を求め、請願します」。一部省略いたしますが、以上のような内容になっています。これは、毎年毎年200万人から500万人の署名を集め、積み重ねてきたこの請願が衆参両院で同時採択されたことは大変画期的と言えるのではないでしょうか。また、少子化など切実さの証明と言えるのではないかと思います。

 2006年5月、横浜地裁は、横浜市長が4つの市立保育園を廃止し民営化したことを違法とする判決を言い渡しました。民営化は子供や保護者に不利益を与え、子供と保護者が特定の保育所で保育を受ける法的利益を侵害することが違法であるとの判断が下されたわけです。同じく大阪府大東市でも、大阪高裁は子供に損害を与えたとして市長に損害賠償を命じました。

 ここで、1つ目にお聞きいたします。市は保育を必要とする子供たちに対し保育を実施する責任がありますが、法的責任を後退させることなく、今後も保育の充実こそが求められておりますが、このことに関しまして市としてのお考えをお聞きいたします。

 次に、民間保育園に関してお聞きいたします。市内でも民間保育園は低年齢児を積極的に受け入れるなど、大きな役割を果たしてきています。低年齢児を積極的に受け入れているこの民間保育園に対して、昭和45年から県単事業といたしまして乳児保育担当保育士増員費が創設され、昭和56年に軽度障害児保育事業、調理員増員費が創設されました。これは、国の最低基準がゼロ歳児と1歳児の保育士配置基準が6対1の時代から3対1を保障したすばらしい補助事業です。現在ゼロ歳児に対しては3対1が義務づけられているようになりましたので、1歳児の保育を3対1に保障する制度として保育を支えてきました。

 負担率は県が2分の1、市が2分の1です。しかし、平成18年度より大幅減額が余儀なくされる事態になってきました。県は財政難を理由として減額に踏み切ってきておりますが、大幅に減額される補助金ではこれまでの保育士の確保は困難になります。もし低年齢児を多く受け入れているこれらの民間保育園が規模縮小せざるを得ない事態になれば市民のニーズとは逆行してまいります。市としても積極的な予算措置など、対応を求めます。また、同様に、すこやか保育などの軽度障害児保育事業についても受け入れるほど赤字がふえることになりますが、市としての対応を求めます。ご答弁をよろしくお願いいたします。

 そして、市内においてゼロ歳児、1歳児、2歳児の低年齢児の枠がいまだ不足しております。お隣の足利市などと比べてみても、本市の場合、希望しても入所できる状況になっておらず、枠拡大が求められているのではないでしょうか。見解を求めます。

 次に、学童保育についてお聞きいたします。厚生労働省は10月19日、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長名の通知で学童保育ガイドラインを発表いたしました。このガイドラインは、次のように述べています。「放課後児童クラブは、保護者が労働等により昼間家庭にいない小学校等に通う子供たちに遊びや生活の場を提供し、その健全な育成を図る事業であり、女性の就労の増加や少子化が進行する中、仕事と子育ての両立支援、児童の健全育成対策として重要な役割を担っているところである。本年4月、総合的な放課後対策を推進するため、放課後子どもプラン推進事業が施行されたところであるが、放課後児童クラブを生活の場としている児童の健全育成を図る観点から放課後児童クラブの質の向上に資することを目的とし、本ガイドラインの策定を行ったところである。本ガイドラインは、各クラブの運営の多様性から最低基準という位置づけではなく、放課後児童クラブを運営するに当たって必要な基本的事項を示し、望ましい方向を目指すものである。放課後児童健全育成事業の推進に当たっては、本ガイドラインを参考に、常に設備または運営の向上に努められたい。市町村は各放課後児童クラブの運営状況を定期的または随時に確認し、必要な指導、助言を行うなど、質の向上が図られるようご尽力願うとともに、待機児童の解消や適正規模の確保に努められたい」としています。

 この中では、1つの学童クラブの規模について、おおむね40人程度まで、最大70人としたことや、施設の広さを児童1人当たりおおむね1.65平米以上としたこと。また、4年生以上の児童の受け入れ促進にも触れていること。指導員の役割を一定明確にしたことなどが挙げられます。そして、対象児童を保護者が労働等により昼間家庭にいない児童として明確にし、全児童対策や放課後子ども教室事業との対象児童を明確に区別していることなど、大変重要な位置づけがなされています。

 ここでお聞きいたしますが、このガイドラインは、今まで国が設置や運営基準など望ましいあり方を示してこなかった中で一歩前進と言えますが、このガイドラインに基づいて市として方針を持って取り組むべきと考えます。全校配置や大規模化解消、対象児童、生活の場としての機能確保などにつきまして、今後どのように実施しようとしているのか、見解を求めます。

 一方で、策定されたガイドラインは、指導員の条件整備や基準など明確にされていない部分もあります。指導員の専任配置や配置基準、必要な設備、障害児受け入れのための指導員加配など、期待される役割、責任を果たすための条件整備など不足しているところもあります。本市には、佐野市放課後児童健全育成事業実施要綱とこどもクラブ指導員に関する要領がありますが、指導員定数の問題など、本市としても設置基準をより明確にしていくべきと考えます。そのためにも、財政措置も伴いますが、これらにつきましてお聞きいたします。また、既に行っている民間の学童クラブに対し、不十分なところがあればガイドラインに基づいて財政支援をし、整備していくことが求められていると考えますが、見解を求めます。

 また、文部科学省は、地域子ども教室推進事業を実施してきました。さらに、文部科学省は、放課後子どもプランの中で放課後子ども推進事業を2万カ所つくるとしております。財務省が事業評価したところ、週1回実施が全体の65%で、1回の事業が二、三時間であることがわかりました。また、スタッフ、職員は学童保育が保育士や教諭の資格を持っている一方で、放課後こどもクラブは地域の高齢者等がボランティアとして協力するものとなっています。

 ここで求められますのは、市民の要求から見ればそれぞれの事業の充実、拡充は必要であり、我が子に安全で安心して生活できる施設をという願いにこたえるためには、学童保育の量的、質的な拡充こそが求められるのではないかと思います。2つの事業を一体で、あるいは連携して進めることを国は進めてきておりますが、2つの性格が違う事業を一体化することは考えられませんし、絶対あってはならないと思います。また、放課後子ども教室推進事業の補助金や体制では、週1回か2回が精いっぱいという状況ではないでしょうか。

 そして、放課後子どもプランは教育委員会が主導でありますが、福祉課との連携のもと進めることが大切ではないかと考えます。見解を求めます。

 2つ目に、孤独死防止対策強化についてお聞きいたします。今特に都市部におきまして人生の最期をだれにもみとられることなく亡くなるという孤独死が増加してきています。本市ではどんな状況かと福祉課の方に栃木県警に問い合わせてもらったところ、変死というくくりではございますが、平成17年で209人、平成18年で210人であったとのことでした。都市部の問題だけではない、本市内での身近な問題になってきていると感じております。

 私が今回この問題を取り上げようと考えたのは、9月に発見された方のことでした。異臭に気づいたアパートの住民が大家さんに知らせ、発見されたのです。浴槽内で亡くなり、1カ月たって発見されました。まだ50代の方だったと思います。その方にとってはさまざまな事情があったとはいえ、この例から見ても、こんな間近にだれにも知られずに亡くなったことは残念でなりませんでした。

 例えば高齢者で見ますと、生活実態は、調査結果を見てみますと、経済的な暮らし向きは3分の1の人が「やや苦しい」、「大変苦しい」と回答し、小泉内閣の構造改革以来、この四、五年で「やや苦しくなった」、「大変苦しくなった」が4割を占めています。この間の税制改正、そして連動した国保料、介護保険料の引き上げで6人に1人の方が生活費が足りなくなり、支出を切り詰めている。1割以上の人が支出を縮めるとともに、預貯金を取り崩していると答えています。また、国民生活基礎調査から見ますと、ごく大まかな貧困、これは生活保護基準以下ということになりまして、年収150万円未満の人たち、65歳以上のひとり暮らしの男性で30%、またひとり暮らしの女性で53%、夫婦世帯では基準が年収200万円以下になりますが、生活保護基準以下が18%という状況です。これら65歳以上の相対的貧困率は、OECDが加盟国25カ国中7番目の高さになっています。さらにまた、政府は高齢者に新たな負担をかけ、来年4月から年金天引きで始まる後期高齢者医療制度を進めようとしています。さらに、政府は、生活保護基準の引き下げをしようとしております。この基準引き下げは、一般世帯にも直撃するさまざまな負担増に連動してくることになります。

 ここで、私の元同僚の方から議会活動にぜひ役立ててほしいと2007年2月7日付の下野新聞の記事をいただきました。ご紹介いたします。「論説。栃木発生活保護の申請拒否。弱者を寒空に放置するな」というタイトルの記事です。読ませていただきます。「生活保護世帯が増加を続ける一方で、生活保護の受給申請そのものを市町村の窓口で受け付けないケースが全国で相次いでいるという。不正受給の防止を目指す対応が高じた形だが、これには国と地方の財政逼迫が連動しているとの見方がある。しかし、生活困窮者にとって生活保護は最後のセーフティーネットである。受給資格は厳正に審査すればよく、申請をさせない対応は言語道断である。全国の生活保護世帯は2005年度初めて100万世帯を超え、過去最多を更新している。本県もここ数年増加を続け、2005年度は9,104世帯と前年度比で500世帯以上ふえている。高齢化の進行、不況による失職などが原因とされるが、社会的格差の拡大も要因だろう。

 こうした中の昨年の5月、北九州市で生活保護の申請を2度拒否された50代男性が自宅で餓死するのが見つかった。悲惨というしかない。そもそも役所が申請を拒否すること自体が違法で、この事件は現下の生活保護行政の一端をかいま見ることにもなった。

 全国青年司法書士協議会が昨年7月に実施した生活保護110番に寄せられた相談680件のうち218件が申請をさせてもらえないという訴えだった。しかも、その4割強は受給審査が行われれば受給できる人たちであったという。窓口で故意に申請を妨げる例が相当あると見なければならない。北関東地区を担当した那須烏山市の嶋田貴子司法書士事務所によると、県内からの相談7件の中に、窓口を4回も訪ねたが、申請を断られていた車上生活者のケースがあった。これについてはアパートを確保の上、嶋田司法書士が窓口に同行したところ、問題なく申請できたという。ほかに生活保護費を減額されたという訴えがあり、窓口に同行して担当者とやりとりをした結果、必要な控除が行われていなかった例があったという。生活保護費は国が4分の3、地方が4分の1を負担しているが、三位一体改革で国は負担率を2分の1に減らす動きを見せ、地方側が猛反発した経緯がある。生活保護世帯の増加が、巨額の財政赤字を抱える国や苦しい自治体財政の重荷になっていることは想像に難しくない。不正受給を排除するのは当然のことだ。しかし、本当の生活困窮者にとって生活保護は最後のセーフティーネットであり、最低限の生活保障は国家の義務である。生活の手段を持たない弱者を寒空に放置するような態度は許されない」という内容の記事です。

 今や病弱の方や高齢者の方々の安心が奪われてきている政治が進んできております。本市も今議会に提案されたものの中に障害児扶養手当の打ち切り、市指定特定疾患の医療助成の廃止、介護手当の縮小など、財政難を理由に福祉を後退させる議案が出されてきております。市の姿勢が問われております。ないのはお金ではない。人を大切にする、弱者を大切にするという福祉の心ではないでしょうか。どうでしょうか。

 ここでお聞きいたしますが、今増税や社会保障の改悪などで生活が追い詰められてきている人が増大してきております。孤独死の問題は、若者も含め、弱者や高齢者の人たちが置かれている状況を象徴的に示す問題であり、何よりも政治の責任が問われていると思います。孤独死が増大しているこの実態とそれを市としてどのように考えるのかお聞きいたします。

 そして、孤独死の問題は、都市部での団地やマンションなどにさらに広がる可能性が指摘されており、私たちの周りにおいても国の政策などによって広がることが予想され、市としても、また地域社会としても対応していくことが迫られてきていると思います。自治体としてやるべきことは何なのか、役割は大きいものがあるのではないでしょうか。主に都市部などに設置されているところが出てきておりますが、孤独死防止対策連絡会議などを設置させて行政や地域がサポートしていく体制づくりが求められていると思いますが、お聞きいたします。

 さらに、高齢者や生活保護受給者など、見守りネットワーク事業などを通して緊急通報システムや配食サービス事業など、位置づけ強化することが求められていると思います。見解を求めたいと思います。

 次に、先ほど言った亡くなって1カ月たって発見された方は生活保護受給者でした。1人で市に相談に行ったが、申請には至らず、その後相談を受け、受給できるようになった方です。ですから、そういう意味でも私はとても残念な思いがいたしました。この事例を見ましても、この方は大変病弱な方でもありましたので、生活保護受給者などに対し地域で支えていくことはもちろんですけれども、もっとケースワーカーさんの細かい訪問がなかったのだろうかと考え、訪問強化が求められているのではないかと思いますが、実態と改善点をお聞きいたします。

 次に、今年度4月から始まったリバースモーゲージの件です。この制度は65歳以上の生活保護受給者まで拡大され、500万円以上の価値のある居住用不動産のある方はこの貸付制度に切り替え、生活保護を打ち切るというものです。この指導を受けた方が私のところに相談に来ました。年金6万円、2人暮らしで、そして生活費不足分数万円を受け取っていた方でした。それでもこの制度に切り替えなくてはだめだと言われました。どうしたらよいかという相談でした。すぐ私は市に電話をしました。そして、2度目には、この間に同意しなければ生活保護を打ち切るという、そういうことの中で選択を迫られていたわけです。そして、2度目にこの方と会ったときには「生活保護を断ろうかと思う」と言いました。本来、生活保護法27条の指導、指示は「被保護者の自由を尊重し、必要最少限度にすること。被保護者の意に反して指導又は指示を強制し得るものと解釈してはならない」としており、強制すべきものではないと考えますが、見解を求めます。

 この制度導入により生活保護を断ったケース、この例を言いましたが、厳密に言えば、後で調査いたしましたところ、2カ月間口座に振り込まれなかったケースだとわかりました。このことで振り込まれなかったということになったわけです。セーフティーネットが働かない状況になってきていると言わざるを得ません。見解を求めます。

 3つ目に、入れ歯回収ボックス設置についてお聞きいたします。

 入れ歯で貧困で苦しむ世界の子供たちを救おうと今全国で入れ歯回収ボックスを設置する自治体がふえてきています。入れ歯の金具や歯の詰め物、かぶせ物には金属パラジウム合金が多く使われていることから、不要になった入れ歯合金を精製して売ると、平均で1個約2,500円になるそうです。これを国連児童基金、ユニセフに寄附することで、入れ歯1つで毛布なら8枚、予防注射針なら250人分を貧困で苦しむ世界の子供たちに援助することができます。個人で換金いたしますと手数料のほうが高くつくために、昨年12月に発足したNPO法人日本入れ歯リサイクル協会、本部は埼玉県松戸市にありますが、回収し、換金をしております。新聞、テレビ、ラジオ、雑誌などのマスコミにより当協会の活動が報道され、広がってきているそうです。私も新聞報道で知りました。この入れ歯回収ボックス設置は、今全国20自治体に広がり、現在約1,236万円となっているそうです。ぜひ本市でも入れ歯回収ボックスを設置して役に立てたいと考えるものですが、見解を求めます。

 以上で1回目の質問といたします。

○議長(高橋功) 当局の答弁を求めます。
 まず、健康福祉部長。
(健康福祉部長 登壇)

◎健康福祉部長(落合潔) 岡村恵子議員の一般質問にお答えをいたします。

 子供たちの豊かな保育、子育ての保障について、それから孤独死防止対策強化について、入れ歯回収ボックス設置につきましてのご質問ですが、順次ご答弁を申し上げます。

 初めに、国と自治体は、保育を必要とする子供に対し保育を実施する責任があり、保育制度の充実が求められていますが、市としての見解をとのご質問でありますが、保育所運営におきます公的な負担等は児童福祉法により定められております。国で定める支弁額から徴収金、保育料を除き、国、県、市町村がおのおのの割合により負担をしております。保護者は保育料としての負担となりますが、佐野市は国で定める7階層の基準ではなく、市独自の11階層としていますので、市の負担はふえますけれども、保護者の負担軽減は図られております。また、休日保育や一時保育などの特別保育につきましても、国や県からの補助金とあわせ、市も負担を行っているほか、市単独での民間保育園の補助として運営費等の補助、施設整備費等補助なども行っています。保育の最低基準が定められており、1歳児については国の基準は6対1ですけれども、市内の保育園では4対1で保育を行っているほか、障害児保育につきましても3対1の保育士配置や専門医の相談事業などの充実を図っています。保育園に入園することができるのは保育に欠ける子供ですけれども、市財政の厳しい中で保育園運営について市負担等を含め、努力をいたしておりますので、ご理解をいただきたいと思います。

 次に、県単独補助事業である1歳児担当保育士増員費、それから軽度障害児保育事業、調理員増員費については減額がされたが、市としての予算措置などの対応を求めますが、見解をとのご質問でございます。市としましては、県補助金削減について市内の民間保育園連絡会から陳情を受け、栃木県市長会から県への要望として提出をいたしております。その要望提出に当たりまして県担当課とも連絡調整を行いましたが、県補助金につきましては事前に通知をしてあり、3年かけて減額した後も全国的にもトップレベルにある。それから、国の基準を超えて加配した場合に対する補助であり、加配を義務づけているものではないし、加配後と同様の内容を保障するものではない。それから、減額の理由は、加配の保育士補助単価が高いという指摘や実際の県内保育士の給与調査、他県の状況を調査の上、決定したものであるとの話を聞いております。

 佐野市内の民間保育園には既に平成18年度の1歳児担当保育士増員費補助の交付が行われましたが、実績報告の保育士給与支払額は、補助額で充足している状況でもありました。このことにつきましては、10月末に開かれた市内民間保育園連絡会との打ち合わせにおきまして、市独自の補てんは難しい状況である旨の回答及び状況報告を行っています。なお、軽度障害児保育事業については、今年度から国の交付税措置がされたこともあり、市財政担当との協議も含め、今年度の補助は前年度単価での継続が可能となりました。

 次に、ゼロ歳、1歳、2歳の枠拡大が求められていますが、見解をとのご質問ですが、最近の保育園の申し込み状況においては、低年齢児の保育希望が増加をしている状況となっております。ゼロ歳児の入園枠の拡大につきましては、施設整備費の補助に伴い、風の子保育園での増築や大栗保育園でも拡大が図られていますが、現在田沼地区で3保育園を統合する(仮称)たぬま保育園の建設が進められております。この中での入園枠の拡大も考えております。低年齢児の入園枠拡大については、保育室の数や広さが限られており、対応する保育士数なども考慮しなければならず、難しい状況ですが、現状の施設の中でできるだけの受け入れを図りたいと考えております。

 次に、厚生労働省策定のガイドラインに基づいて市としても方針を持って取り組むべきですがという質問でございますが、このガイドラインは、放課後児童クラブを運営するに当たって必要な基本的事項を示し、望ましい方向を目指すものでございます。本市といたしましても、おおむねこのガイドラインに基づき実施をしておりますが、示されたガイドラインを精査しながら随時取り組んでまいりたいと考えておりますが、市としてのガイドライン策定に関しましては今後研究をしてまいりたいと考えております。

 また、全校配置、大規模化解消、対象児童、生活の場としての機能確保などどのように実施しようとしていますかとのご質問でございますが、全校配置、それから大規模化解消につきましては、先発の内田議員にご答弁を申し上げたとおりでございます。対象児童につきましては、こどもクラブのある小学校に通学する児童が対象となります。また、施設の状況と指導員の配置状況とから、障害の有無にかかわらず小学1年から3年までの集団生活を営むことができる児童に限らせていただいております。入所可能な児童の家庭状況につきましては、ひとり親家庭を優先し、祖父母等が児童の面倒を見られる家庭の児童につきましては、当該クラブの入所者数により調整をさせていただいております。次に、生活の場としての機能確保につきましては、専用の部屋または間仕切りなどで区切られた専用スペースを設け、生活の場としての機能が確保できるよう努めてまいりたいと考えております。

 次に、市としての指導員の設置基準を明確にすべきとのご質問ですが、指導員の設置基準につきましては、本市独自に放課後児童健全育成事業実施要綱を定めており、指導員について規定しております。内容は、保育士もしくは幼稚園、小中学校等教諭の資格を有する者またはそれに準ずる経験者を配置するとされております。この規定はガイドラインに定めている条件におおむね準じていると理解をいたしております。また、これとは別にこどもクラブ指導員に関する要領も定め、指導員の位置づけや勤務内容等も定めております。

 次に、民間学童クラブに不十分なところがあれば、このガイドラインに基づき財政支援をし整備をしていくことが求められるが、見解はとのご質問でございます。民間の学童クラブとは事業委託契約を締結しており、事業を実施する上で必要な事項を仕様書で定めてございます。ここでは対象人数による通常の運営費のほかに開設時間が長時間に及ぶ場合の加算や障害児を受け入れている場合の加算も含めて、国の補助基準に基づいた算出方法で計算してございます。

 次に、弱者や高齢者など孤独死の増加が社会問題になっています。孤独死が増加している実態と、それを市としてどのように考えているのかというご質問でございます。少子高齢化の時代を背景といたしまして、高齢者だけの世帯、とりわけひとり暮らしの高齢者がふえておりますが、そのような中、孤独死ということは大変痛ましいことであると考えております。なお、孤独死の実態ということに関しましては、その把握はございませんが、議員さんもおっしゃっておりましたが、栃木県警の調べによる佐野市の変死者取り扱い件数は、平成17年が209件、平成18年が212件とのことでございます。

 次に、孤独死防止対策連絡会議などを設置させ、行政や地域などがサポートしていく体制づくりが求められていると思いますがというご質問でございますが、孤独死防止対策連絡会議などの設置ということに関しましては研究をさせていただきたいと思いますが、孤独死を防止するためには隣近所の方たちが一声をかけ合っての見守りが図られること、あるいは地域でのサポート体制が重要な方策と思われます。

 次に、高齢者や生活保護者など見守りネットワーク事業などとして緊急通報システムや配食サービス事業など位置づけを強化することが求められていると思いますが、見解をということですが、本市における高齢者等への見守りネットワーク事業には、乳酸菌飲料愛のひと声運動、緊急通報装置貸与事業、配食サービス事業、徘回高齢者位置探索器貸与事業を利用し見守りを続けるとともに、高齢者の生きがいと健康づくりや閉じこもり解消のための生きがい活動支援通所事業やふれあいサロン事業を展開し、さらに老人クラブのシルバー奉仕員によるひとり暮らし高齢者世帯訪問など、孤独にならないような事業を支援していきたいと考えております。さらに、民生委員、児童委員さんにお願いをしまして毎年実施をしております実態調査により、支援の必要な高齢者を把握し、民生委員、児童委員さんを始め、町会、地区社協の福祉協力員など、既存の組織、団体の協力をいただき、高齢者等の孤独死がないよう努力をしてまいりたいと考えております。

 次に、ケースワーカーの訪問の強化が求められていると考えるが、実態と改善点というご質問ですが、ケースワーカーの訪問につきましては、処遇方針に基づいて保護者の生活状況等を把握し、適切な指導や助言をすることや自立を助長するための指導を行うことを目的としております。訪問頻度につきましては、世帯の状況に応じまして毎月訪問、2カ月に1回訪問、3カ月に1回訪問、1年に1度以上訪問の4段階に分けた訪問基準がございます。しかし、訪問したときに問題があると認められた世帯は訪問頻度を上げて対応しているところでございます。今後さらに被保護者の適切な処遇を行うため、世帯の実態が把握できるよう努めていきたいと考えております。

 次に、リバースモーゲージが生活保護受給者まで対象を拡大されましたが、生活保護法27条の指導、指示は、被保護者の自由を尊重し、必要最小限とすること、被保護者の意に反して指導または指示を強制し得るものと解釈してはならないということで強制すべきものではないと考えるが、見解はということのご質問です。生活保護法第4条では、保護は生活に困窮する者がその利用し得る資産、能力、その他あらゆるものをその最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われるという規定がございます。

 厚生労働省の通達により、平成19年4月から全国的にリバースモーゲージ制度が導入をされました。この制度は、既に生活保護を受給している高齢者世帯及び新規に生活保護を申請する高齢者世帯が一定額以上、これにつきましては評価額が500万円以上でございますが、の居住用の不動産を保有している場合には、これを担保に生活資金を貸し付けることにより、貸付期間中は生活保護の適用を行わないことになっております。この制度の適用に当たりましては、制度の趣旨の理解が得られるように対象者に対して十分な説明をしていきたいと考えております。

 最後の入れ歯回収ボックス設置についての質問でございます。特定非営利活動法人日本入れ歯リサイクル協会が平成18年12月より活動してる事業でございます。不要となった入れ歯を回収して、入れ歯に使われている金属を精製することによって得た利益を財団法人日本ユニセフ協会に寄附をすることにより、世界の恵まれない子供たちに対して援助を行うものと聞いております。これの件につきましては、先般佐野市大橋町の社会福祉協議会に回収ボックスの設置につきまして当協会から依頼があったということでありまして、現在社会福祉協議会の本所と支所に設置するという方向で検討しているということでございます。

 以上、答弁とさせていただきます。

○議長(高橋功) 次に、生涯学習部長。
(生涯学習部長 登壇)

◎生涯学習部長(大森博)

 一般質問にお答え申し上げます。

 放課後児童クラブと放課後子どもプランは一本化しないことについての見解はとのご質問でございますが、放課後子ども教室と放課後児童クラブは、放課後等の子供たちが安心して活動できる場の確保という点では共通してございますが、目的と性質は異なるものでございます。国が設置した放課後子どもプラン連携推進室では、両事業の充実を図ることが大切と述べており、本市の放課後子どもプラン運営委員会においても、それぞれの事業趣旨を踏まえ、それぞれの機能を充実させるとともに、相互に連携し合い、交流を大切にしたいと協議されているところでございます。今後とも両事業の連携に重点を置き、推進していきたいと考えております。

 次に、放課後子どもプランにおける教育委員会と福祉課との連携についてのご質問でございます。放課後子どもプランを実施していくためには、行政内はもちろん、地域の方々同士、子供同士、事業同士等の幅広い連携が重要と考えております。今後とも放課後子どもプラン運営委員会の運営を始め、両課の協議のもとに推進をしてまいりたいと考えております。

 以上、答弁とさせていただきます。

○議長(高橋功) 以上で当局の答弁は終わりました。1番、岡村恵子議員。
(1番 岡村議員登壇)

◆1番(岡村恵子)

 ご答弁いただきました。さまざま今お答えいただいたのですけれども、

 まず保育の問題ですけれども、先ほど児童福祉法に基づいて佐野市もやはり独自の、1歳児が4対1でやっているということは私も評価をしているところです。保育関係者がアンケートをこの間とったのですけれども、これは県内にとったわけですが、佐野市内だけではありませんが、公立の保育園の人たちのお答えの中にも、やはり1歳児は、現在国が6対1ということになっておりますが、3対1にすべきだと。そして、そうなればもっと公立保育園でも低年齢児を、特に1歳児だとか、受け入れられるというふうなことの答えが返ってきたのが特徴です。

 ですから、先ほど民間保育園の県単補助事業が減額されてきているということで、先ほど事業者の方々から実際のもらっている補助金で充足していたというお答えがあったのですけれども、この辺はちょっと改めてお聞きするのですけれども、実際3対1で1歳児をやればやるほど、人数を受け入れれば受け入れるほど赤字になっているということは明白なことで、当事者の方々からも資料もいただいているところです。やはり何年かにかけて減額をするということで大変な、300万円、そして四百数十万ということで、年々どんどんと赤字分がふえていくと。そんなようなことの資料もいただいているのですが、その辺改めまして、先ほどのご答弁ですとちょっと納得できませんので、県のほうにも市が要望を出したということは、それは一定前向きなことだというふうに思うのですけれども、現場の方々はぜひ市独自でもこのような補助を続けてほしいということを切実に願っておりますので、改めて市長からのご答弁をいただければというふうに思います。

 今保育の問題をなぜ取り上げたかといいますと、今国が大変保育の問題も、1回目の質問で言いましたが、公的責任、それをやはりどんどんと後退をさせる方向でやろうとしている。そういう中で国会の中で国会議員さん、各会派、政党が賛成をして公的保育制度の堅持ということで可決されたわけです。そういう多くの国民の世論というのは本当に大事な保育というのを公的なところで支えてもらいたいという切実な要望があるのだというふうに思うのです。そういう点では、今規制改革民間開放推進会議などといって、既存の育児支援関連予算等を統合したものにして、保険料として財源とするような中身も一定動きがあるようですが、市としても、先ほど現状ではこうやってますというお答えでしたが、今後とも公的な保育をしっかりと保障していくということで、その辺につきましても、またそれも市長からお答えいただければというふうに思っております。

 それから、低年齢児の枠拡大の件ですが、これは足利市等を見ましても違いがとてもあるというふうに関係者は言っております。そういう点では足利市の人口比で見たときに違いがあるのではないかというふうに思うのですが、先ほどのご答弁ですと設備的なものとか保育士の数とか、そういう難しい状況でなければできるだけの受け入れをしたいというふうなご答弁でした。それはそれで大変前向きな姿勢だということで受けとめておきたいのですが、しかしたぬま保育園で枠拡大を考えているということでしたから、その辺を具体的にどういう計画であるのかお答えしていただきたいし、それから市民は切実に共働きをしたいという声の中で枠があかないということで入所を見送るというケースもありますので、その辺改めてもうちょっと根拠のあるご答弁をお願いできたらというふうに思います。

 それから、学童保育についてですが、先ほどガイドライン、国がガイドラインをつくったということは大変貴重な前進があるというふうに思うのです。ガイドラインの精査をしながら取り組んでいきたいというふうにおっしゃっていましたが、この辺改めまして今回ガイドラインがつくられたその意義を市としてどのようにとらえているか。そして、精査をしながら取り組んでいきたいというだけのご答弁でしたが、やはり学童保育の旧今市市での事件なども受けて、今大変多くの子供たちが通う状況になってきていまして、大規模解消の点とか全校配置の点とか、それから小学3年生以上の子供たちも受け入れるようにすべきだとか、いろいろな課題があるのではないかというふうに思うのですけれども、その辺、先ほど精査をしながら取り組んでいきたいということでしたけれども、それから市としてのガイドライン制定については研究をしたいということでした。その辺、それでは満足できない、ちょっとその到達なのかなという感じがしてしまいまして、実際、現在の学童保育は70名超えているところも、城北こどもクラブ、植野こどもクラブ、ありますね。それから、中央こどもクラブは現在65名ということですが、40名規模が適切だということにガイドラインではなっておりまして、そういう点では積極的にガイドラインに基づいて市も進めていくべきではないかというふうに感じております。

 それから、先ほど放課後児童クラブと、それから放課後子ども教室、その一体化はしないことということで、私質問いたしました。国のほうでは、今だんだん教育委員会が主導で、国のほうではその2つの事業を別々に県のほうに交付するのですけれども、それを県と市は一本化していく、補助金を徐々に一本化していくという段階で、ですから今回ガイドラインが示されたということは大変意義のあることだということはそういう意味でも意義のあることで、それぞれの役割をきちっと明確にして、それで全校配置を、内田さんへの答弁もあったかというふうに思うのですけれども、やはり前向きに検討していただきたいというふうに感じているところです。

 現在の放課後子ども教室は、佐野市も週1度か2度という状況ですね。そして、補助金の単価が大変低いということで、どこの市町村も大変悩んでいます。そういう中では現状ではなかなか進んでいかないのではないかなと思いまして、その辺のお考えにつきましてもう一度、今後しっかりと2つの施策を充実させていく、そのことでのご答弁をお願いをしたいというふうに思っております。

 それから、孤独死の問題、取り上げさせていただきました。これは先ほど1回目は痛ましいということの一言だったのですけれども、私は今の社会保障、国の政策の問題で大変貧富の格差が生じて社会的な弱者というものが取りこぼされるという事態になってきているのではないかということで、生活保護の点でも取り上げさせていただきました。
  北九州市では生活保護の申請の要件とするものを、保健福祉部長が謝罪をして、そして見直すというふうにしております。佐野市は決して扶養義務を要件とはしていないですよね。申請するときに扶養義務を先に、それはしていません。それは私も理解しております。しかし、リバースモーゲージの制度などは、これは資産を活用するということで導入されたものですけれども、先ほど言ったケースでも10月に3回来たということですが、それで11月5日の保護の金額が振り込まれなかったということですので、これはこの文書の制度の活用の中にありますけれども、十分な説明をしていくということが前提になっておりまして、その辺の運用の仕方だとか、改善しなければいけないというふうに感じているのです。あとケースワーカーの受け持っている件数、職員が足らないのではないかというふうに感じますが、その辺2回目の質問とさせていただきます。

○議長(高橋功)
当局の答弁を求めます。まず、健康福祉部長。

(健康福祉部長 登壇)
◎健康福祉部長(落合潔)

 再質問にお答えを申し上げます。

 最初に、1歳児を多く受け入れている保育園ほど減額が大きくなるというようなことで再度ということでしたが、この県の補助金の減額につきましては、県内の民間保育園などでつくります県保育運動連絡会が12月3日に陳情を県のほうに出したということが新聞にも載っておりました。1歳児の保育士の増員につきましては、県の補助金であり、県が2分の1、さっき議員がおっしゃったように、市が同額を負担して民間保育園に補助する制度で、国の基準は子供6人に対して保育士が1人ということで、より充実した保育、3対1などを行う場合に加配された保育士の人件費に対する補助金であります。

 18年度からは補助基準を1歳児1人当たりから保育士1人当たりにしまして、補助基準を県非常勤の職員単価の月額12万6,000円とするけれども、激変緩和を図るため、平成18年から20年度の3年間で行うというものであります。平成17年度は1歳児1人当たりの補助単価が月額4万1,000円で、県の常勤職員月額24万6,000円をもとにした子供1人当たりの補助単価となっていました。この額24万6,000円の県常勤職員単価を適用することが給与調査の実態などから高いという指摘などがあり、県の非常勤職員単価に合わせていくという考え方かと思われます。平成17年度の基準ですとさっき言った月額24万6,000円での雇用ができたわけでありますけれども、補助単価が下がったということで補助相当額の雇用しかできないというものかと思われます。

 1歳児を多く受け入れる保育所ほど減額が大きくなるということではなく、加配、増員される保育士を雇用する金額に影響するものであります。1歳児の受け入れの数は、施設の広さ、それから保育士の数に関連をしてきますが、金額が下がったことで保育士雇用ができないような状態になったときには影響が出るものと考えています。また、雇用金額が安い保育士の配置につきましては、保育の質が低下するなどの考え方を持たれると思いますが、加配の保育士でない担当保育士もいることから大きな影響は出ないものと考えております。県の補助制度に合わせて市が負担をしておりますけれども、市独自での補てんというのは難しい状況であります。ほかの市の状況等も調査をいたしましたが、補てんはされていない状況だということでございます。

 次に、ゼロ歳児の枠のたぬま保育園の拡大、具体的にというようなご質問でありましたが、現在田沼の三好と野上、それから田沼保育園でゼロ歳児については3人ということでやっております。新しく完成をしますと9人ということで6人ふえるということになります。

 それから、学童の関係でガイドラインについてということで、その意義をどのように考えているのか、それから市としてのガイドラインを作成するのに研究という答弁だがということだったのですが、どのようにとらえているかということですが、ことしの10月にガイドラインが示されたということで、議員もお話しになっておりましたが、国の児童家庭局長から知事あての数値の写しが参っております。その中で、このガイドラインにつきましては、各クラブの運営の多様性から最低基準という位置づけではないですよ、児童クラブを運営するに当たって必要な基本的事項を示して望ましい方向を目指すものですよというようなものが書かれております。あくまで最低基準ということになりますと、これを絶対クリアしなくてはならないということになりますので、そういう点からはある程度の基本的なものを示されたのかなというふうに思っております。

 中を見てみますと、対象児童であるとか、そういう中で小学校の4年生以上の児童も加えることができるようなものも入っております。それから規模という、おおむね40人、最大70人、先ほど話がありました。あとは開設日であるとか設備の関係、職員の体制ですね。職員の体制につきましては、資格を有する者が望ましいということでありますが、資格につきましては佐野市として独自の要綱を定めて資格等について取得を、持っている者をというような規定もあります。そういう点ではこのガイドラインに沿っているのかなと思います。

 それから、あとはもろもろありますが、職員の研修をさせるとか、苦情の対応とかもありますので、ここら辺をうちの要領と見比べながら、また改善できるものにつきましては研究しながら改善していきたいということでございますので、ご理解をいただきたいと思います。

 それから、リバースモーゲージで断られたというような話でございます。リバースモーゲージを強要したことによって生活保護を断ったのではないか、セーフティーネットが働かないのではないかというようなご質問だったと思いますが、リバースモーゲージ制度につきましては、資産の有効活用という観点から適用されるものでございまして、保護を受けている方、これから保護を受ける方に対し、対象資産をお持ちの方はすべて適用しなければならない制度でございます。そのような制度でありますが、この制度を説明するのにあわせまして、ほかの生活上のことも話の中にいろいろ出てきていろいろ誤解を与えたのかなというふうに思っております。保護係全員による勉強会等を通しましてケースワーカー一人一人の質の向上をしていきたいと思いますので、ご理解をいただきたいと思います。

 なお、本制度適用に当たり、保護を新たに申請する方で申請を取り下げたという方はおりません。申請を却下した方もおりませんが、保護を受けている方で制度適用に当たりまして年金の収入増加になる手続をすることで自立ができる、自立をしたいということで断った方はいらっしゃいます。そういう状況でございます。

 それと、ケースワーカーが担当する世帯というようなお話でした。ケースワーカーの担当する世帯についてでございますが、これにつきましては社会福祉法の第16条で支部の福祉事務所の場合は80世帯という基準がございます。佐野市の場合、現在ケースワーカーは8人おりまして、町内を単位として担当区域を分けております。担当する世帯数はばらつきがありますけれども、1人のケースワーカーが平均で94世帯を担当しております。一番多いケースワーカーは105件ということでございます。反対に一番少ないケースワーカーでも82件を担当しているという状況でございます。

 いずれにしましても、生活保護につきましては、国家責任による最低生活保障の原理、あるいは保障請求権、無差別平等の原理、健康で文化的な最低生活保障の原理、あるいは保護の補足性の原理を基本原則として行われます。保護を受けている方には義務もございます。これら原理とか被保護者の義務などが適正に行われることによって、最後のセーフティーネットとされるところでございます。担当する職員には制度を十分に理解をし、解釈を逸脱することなく被保護者の方が安心して生活できるように人権に配慮した事務に努めてまいりますので、よろしくお願いを申し上げます。

 以上、答弁とさせていただきます。

○議長(高橋功) 次に、生涯学習部長。

(生涯学習部長 登壇)
◎生涯学習部長(大森博)

 岡村議員の再質問にお答えいたします。

 私のほうからは、子どもプランの進行、そこいらがなかなか進んでいない現状、そういうご質問かなと思います。子どもプランの進行につきましては、各地域での協力が不可欠な問題となっております。そういったことで各地域、そういったところに対しまして啓発、それから関係機関への説明会、そういったことでやっているわけですけれども、地域での応分の負担というか、それぞれの立場、立場での仕事がありますので、例えばコーディネーターの役割、そういったものを十分に果たし得る、そういった人の選任、そういったものが非常に難しい、そういったことから行政側からできるだけ協力をお願いしてもなかなかそれらとかみ合わないというのが現状でございます。いずれにしましても、年度内には幾らかでもこのプランの小学校区の立ち上げができるように頑張っていきたいと思います。

 以上、答弁とさせていただきます。

○議長(高橋功) 次に、市長。
(市長 登壇)

◎市長(岡部正英)

 岡村恵子議員の再質問にお答えいたします。

 既に担当部長のほうから答弁があったわけでございますけれども、福祉関係、大変多岐にわたってのご質問をいただきました。大変厳しい状況の中で、市民の皆さんの中にも大変困っている方が多いわけでございます。そういう中で特に子育て、そして保育の関係、また民間学童クラブ、また孤独死の関係やらいろいろご質問がございました。そういう中で、これは答弁のとおりでございますけれども、佐野市といたしましても市民の相談窓口を強化いたしまして、民生委員の方、児童委員の方、また社会福祉委員の方、ボランティアの方ともいろいろ協議をさせていただきながらできるだけ救済に当たりたいと、こういうことで進めております。また、いろいろ県、国に対する要望事項もたくさんあるわけでございまして、私も再三それは訴えてきております。そういう中でできる限り、佐野市も厳しい財政の中でございますけれども、何とか努力をして質問等に対しても答えていきたいと、こう思っておりますので、ご理解をいただきたいと思います。

 以上、答弁とさせていただきます。

○議長(高橋功) 以上で当局の答弁は終わりました。

1番、岡村恵子議員。(1番 岡村議員登壇)

◆1番(岡村恵子)

 ただいまそれぞれご答弁をいただきました。今市長から、厳しい財政ではありますが、何とか努力をしてまいりたいというふうにお答えいただきました。やはり佐野市の姿勢ということもとても大事だというふうに思うのですが、改めて今回の議案の中にも、障害児の扶養手当の打ち切りとか、それから市の特定疾患の医療助成の打ち切り、それから在宅介護者手当の縮小などあります。それは1回目に私も言いました。そのようにお考えをしているのであれば、佐野市の福祉施策というのを大事に拡充する方向でしていくべきではないかというふうに思うのですけれども、市長のほうから改めてそのような今回の福祉縮小、切り捨てといいますか、そういうことに対しての、なぜそういうふうなことに至ったのか。金額的には本当に何百万円ずつの削減です。その辺は大変市民も厳しい見方で見ると思います。その辺改めて、抽象的な言葉だけではなく、市民に説明と、それから改めて今後拡充する方向で転換をすべきだというふうに思いますので、再度のご答弁をよろしくお願いしたいというふうに思います。

 それから、学童保育のことですけれども、生涯学習部長さんからご答弁を2回目いただいたのですが、私が質問した趣旨とかなりずれているのですけれども、子どもプランの中で放課後子ども教室事業の充実も確かに言いました。しかし、先ほど私が2回目に言ったのは、今学童保育の関係者が、国の予算が市に来る時点で一体化されるという中で大変危惧を持っているのです。今までの学童保育の役割というのが全児童対策とか、それから放課後子どもプランの中で矮小化といいますか、一体化されてしまうと危惧を持っている中で、一方では学童保育を充実させるべきだと、そういう声があってガイドラインが策定されたという経緯があるのです。

 ですから学童保育の関係者は、現在放課後子どもプランによる2つの事業の一体的推進という考え方が示されたことによって、自治体ではさまざまな、混乱とここではこの関係者は言っているのですけれども、起きていると。学童保育と放課後子ども教室の2つの事業が目的も内容も大きく異なっている。異なっていることを明確にするために、いち早くガイドラインが策定をされたということは高く評価をしているというふうに言っております。ですから、佐野市としては、先ほど健康福祉部長さんが大変抽象的なご答弁でした。最低基準ではないので、それとは違うということだとかおっしゃいました。しかし、佐野市としては子供たちの豊かな放課後の生活を保障するために、全校配置はどうなのか、大規模を解消するためにはどうするのかなどを私は質問したつもりなのです。そういう点で、改めてその辺ガイドラインに基づく整備をいち早くしていくべきだというふうに思いますので、改めてその辺のご答弁をお願いいたします。

 そして、内田清美議員さんのご答弁の中に、今後計画を策定していきたいというふうなことをおっしゃっていましたよね。その辺ももうちょっと、やはり今の趣旨を踏まえた上で一体化をするのではなく、それぞれの施策をより充実させる方向で進むべきだということに対してのぜひご答弁をよろしくお願いをしたいというふうに思います。その辺をよろしくお願いいたします。

 それから、民間保育園への補助事業の問題ですが、やはり民間保育園が低年齢児の子供たちとかをたくさん受け入れているということで、大変な役割を果たしているわけです。その中で、先ほど保育士の単価になったということで、12万6,000円ということでおっしゃっていました。それで雇用をすべきだという考えだということに切り替わったということなのですが、これでは働く立場から見ても大変不足した金額なのではないか。これで何も不自由はないのではないかというふうな意味にとれたのですけれども、そして佐野市独自でも、県が2分の1、市が2分の1出していたわけですから、裏負担ということにはなるでしょうけれども、しかし独自の補てんが難しいと。その辺の言い切ってしまうというところはやはりちょっと、これは現場の方々が大変切実な思いでいる中で、これは4つの保育園が共同で市に出しているわけです。県にもそうです。そういう中での検討する余地がないのかどうか、その辺について再度お答えをしていただきたいというふうに思います。

 それから、先ほどご答弁の中に、保育園の問題ですが、ゼロ歳児、1歳児、2歳児、枠の問題で足利市などとの比較で、佐野市が多分足利市と人口比が違うのではないかというふうに思いますので、そして足利市は保育園に入れるときには仕事が決まっていなくても希望ができて入所希望が出せます。しかし、佐野市は仕事がはっきりと決まって、その証明がなければ希望できないという違いもあります。その辺はやはり枠の問題でそのようになってしまっているのではないかというふうに認識いたしますが、足利市との比較などもしていただいて、ぜひ積極的な枠拡大をしていくべきだと。指導員が足りていなければ、保育士が足りていなければ補充する方向でやるべきだというふうに思います。その辺もぜひご答弁をよろしくお願いいたします。

 それから、先ほどリバースモーゲージなどの生活保護の問題で、私はこれらの問題を再三再四議会でも取り上げさせていただいているのですけれども、リバースモーゲージの問題では生活保護受給者まで対象を拡大されたということに対しては、制度としては悪くはないというふうに認識をいたしますが、その方が亡くなってから、居住しているところを担保に入れていたわけですから、それが本人からすれば取られるというか、そういうことになるわけですけれども、しかし大変心理的な、今までは生活保護を受けていて、心理的なより追い詰められる状況になるのではないかというふうに、その方のケースを見ても感じました。そういうことでは保護は自分は受けたくないというふうに言ってきたわけですけれども、今までのケースでは断ったケースはないということですが、県内で多分50世帯近い人たちが対象になって今動いている。担当のほうとの話ではそうなっていますが、現状で佐野市内では何件くらいなっているのか。そして、ほかのケースにつきましても制度を十分に理解をしていただいた形で、生活保護法との関係で指導、指示というのが、これは強制になってしまうわけですが、その制度自体が、強制でそのようにするということ自体が大変法律と食い違っている面があるのではないかというふうに思いますし、そういう点も現実に問題視されております。その辺改めて、担当者も大変行きづらいという中で、感じとすると、なかなかそのうちに行きづらくてなかなか寄れなかったようなこともあるのではないかというふうに思いますけれども、今後そういう点では配慮も必要ですし、その辺を感じますので、ぜひ再度のご答弁をよろしくお願いしたいというふうに思います。

 ですから、先ほど、戻りますが、孤独死の問題は大変一般的な答弁でしかなかったですね。これは今やっている事業を、本当にそれをただ並べただけで、今の現状からして何か積極的なご答弁があったかというとほとんどなかったかなということで大変残念なのですが、その辺、今後のぜひ検討課題にしていただきたい。それも質問いたしまして、3回目の質問といたします。

○議長(高橋功) 当局の答弁を求めます。
  まず、健康福祉部長。
          (健康福祉部長 登壇)
◎健康福祉部長(落合潔) 再々質問にお答えを申し上げます。
  まず、学童クラブの件で、未設置校と大規模校の考え方、内田議員にご答弁申し上げたとおりということ、もう一回というようなことだと思いますが、市内の15の小学校区に公立のこどもクラブが設置してあります。残る13の小学校区には民間のこどもクラブとも連携をしながら対応しているというような状況でございます。大規模化の解消につきましては、議員おっしゃるように、城北と植野のこどもクラブが該当しております。これにつきましては、補助も21年度でなくなるということから、いずれにしても21年度までには何とかしなくてはならないと、こういう状況になっていますので、いずれにしてもそれまでには何らかの対応策を考えてやっていくということでお願いしたいと思います。
  それから、未設置校でございますが、必要としている児童の方は、額が小さいことからもあるのでしょうけれども、10人以下というところがほとんどでございます。それでありますので、こどもクラブ専用施設での運営というのは非常に難しいので、地域の状況等よく把握をしながら整備方針については今後研究してまいりたいということでご理解をいただきたいと思います。
  それから、民間保育園の関係の補助の関係でございますが、検討する余地はないのかというようなご質問でございました。いずれにしましても、県の補助制度に乗せた形で県が2分の1、市が2分の1と、そういう形でやってまいりました。交付税措置にかわったものもありますけれども、そういう中で市単独で出していければ一番いいのでしょうけれども、財政状況等を考えますとなかなか難しい。どこの市町村でも今そういう状況だと思いますが、余地はないのかと言われるとちょっときついところがありますが、十分研究をさせていただきたいと思います。
  それから、足利市との比較を十分にやったらどうですかというようなご質問があったですが、足利市さんの状況もよくお伺いをしてみたいと思います。
  それから、こどもクラブの関係で生涯学習部長が先ほど答弁しましたが、福祉の方の考え方といいますか、ご案内のとおり、放課後子ども教室と放課後児童クラブ、その両方で放課後子どもプランということになっているわけであります。国でも両事業の充実を図ることが大切だということで言っているわけであります。一本化するかしないかという話は別としても、連携はしていかないと、実際問題として今待機スペースの需用でたまたま学童に来ているとか、
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何らかの関係でかかわりがありますので、全体の子どもプランの中では連携を図っていかなければならないかなというふうに思っているところでございます。一本化して全部一緒にやるというのはちょっと現状ではなかなか難しいのかなという考え方を持っておりますので、ご理解をいただきたいと思います。
  それから、リバースモーゲージのことでございますが、リバースモーゲージ、この制度につきましては非常に不安にさせる制度で、強制すべきではないというようなお話だったと思うのですけれども、老後は住みなれた我が家で過ごしていたい、でも年金だけでは不安だ、貯金もいざというときのために残しておきたいと、そのような人のためにリバースモーゲージ制度が生まれたと思います。この制度が生活保護にも適用されたのは、保護を受けている方に何の扶養もしないで、保護を受けている方が亡くなられると、その資産が相続する被扶養者のものとなってしまうようなことも考えられます。このようなことにつきましては、社会的公平の観点から国民の方々の理解は得られないということで実施されたものと思っておりますので、ご理解いただきたいと思います。
  運用面につきましても、先ほど申し上げましたけれども、対象者の方が迷ってしまうことのないように、不安を与えないように制度の目的、趣旨を正しく説明できるよう、ケースワーカー個人の問題だけではなくて生活保護係全体での資質の向上を図ってまいりたいということで考えておりますので、よろしくお願いを申し上げまして再々質問に対する答弁とさせていただきます。
○議長(高橋功) 次に、市長。
          (市長 登壇)
◎市長(岡部正英) 岡村議員の再々質問にお答えをいたします。
  先ほどもう既に担当部長の方からもお答えのとおりでございますけれども、大変厳しい財政状況の中でございます。できる限り福祉の後退があってはいけないということで配慮はしてきております。そういう点で、私も20年度の行政経営方針を発表させていただきました。佐野市が合併して財政規模が100億円から膨れ上がってしまったということで、平成17年度の一般予算が460億円、そして18年度が430億円、そして19年度が414億円、そして20年度が400億円規模に縮小しなくてはならない、こういうことで職員とも事務事業の見直し等いろいろしながらその縮小をやったのですけれども、どうしてもなかなか、それも半分ぐらいしか縮小できない。そういう状況の中で佐野市も大変厳しい状況にあります。これはいろいろな、もちろん市民病院の関係その他もございますけれども、それだけではない財政的な厳しさと、それから国、県のそういう締めつけもあるわけでございますから、そういう中で今後も県、また国にも働きかけながら、ほかの市等の状況もよく私のほうも再度検討しながら、今後対応に努めてまいりたいと思いますので、ご理解をいただきたいと思います。
  以上でございます。
○議長(高橋功) 以上で当局の答弁は終わりました。

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