国民健康保険について
医療費無料化の年令ひき上げと重度心身障がい者医療窓口無料化について
学校教育について

議会報告・2013年(H25)第1回定例会
2月 27日(水)質問と答弁(全文)

一般質問と答弁
〇1番(岡村恵子)

 それでは、ただいまから一般質問を行わせていただきます。

 1つ目に、国民健康保険についてお聞きいたします。私はこの大変深刻となっております国民健康保険について何度となく取り上げてきました。今回も取り上げさせていただきました。このたび私たち日本共産党議員団が行ったアンケートで、毎日の生活でどんな不安を感じていますかという質問に対し、その回答の中で、国民健康保険税を引き下げてほしいがトップでありました。国保加入者は自営業者や農家の経営難とともに、低賃金の労働者、失業者、年金生活者などの無職者が多くなってきております。佐野市の平成20年度と平成23年度の決算を見てみますと、国保加入世帯の基準総所得金額は約60億円も2年続けて落ちたまま、そして1世帯平均の基準所得金額は103万円、これは基礎控除が入りますので、収入が約140万円、そして年間所得100万円以下の世帯が国保加入者の半数を超えてきております。その中で値上げされた国民健康保険税は約19万円になってきております。生活費の約13.5%が国民健康保険に消えてしまう計算になります。2010年のときは栃木県平均でありますが、生活費比約10.6という状況でありました。ですから、今市民の方々から切実な声がたくさん寄せられるのは当然のことだと思います。

 先日受けた生活相談では、夫の給料が15%カットされた上に、社会保険から国民健康保険に会社の方針として移行させられたケースもありました。前年度の収入で計算されますので、大変高い国民健康保険税が請求されたわけです。住宅ローンもあり、家族はお手上げ状況、奥さんの病気の治療もままならない状況でありました。今の政治の状況は長引く不況と雇用情勢の悪化が一遍に家族の生活をさま変わりさせてしまうと感じました。このケースの場合も国保税滞納のほころびは、大変高い延滞金もついて大きな穴に膨れ上がり、分納していても、とてもとても追いつかない状況でありました。このようなケースだけではない。今国民皆保険として全ての人たちの受け皿になる国民健康保険のさまざまな問題がさらに大きなものとして今噴き出してきているように思います。

 一時、高過ぎて払い切れない国民健康保険税の滞納者への保険証取り上げ問題は、マスコミでも大きく取り上げられる社会問題になっておりました。しかし、国はこのような大きな社会問題となっても、国庫負担を引き下げてきた責任を棚上げにし、保険税の引き上げの奨励とともに、滞納者への差し押さえなど、収納対策強化に自治体を走らせ、現在に至っております。今佐野市では滞納者に書かせていた分納誓約書を書かせず、市と市民が分納を合意したとせずに、その分納している市民からも納税が追いつかないと差し押さえを強行しております。

 差し押さえで、ある方は子供の専門学校の入学金である奨学金が口座に振り込まれた途端に差し押さえされた。これでは子供を学校に上げることができないと、親として切実な声を上げておりました。私はこのやり方は不当ではないかと本人に市に折衝させ、差し押さえを解除させました。また、ひとり暮らしの女性が自分の生活のために働いている職場に、幾らこの人に給料を支払っているのかと調査が来たと、その方は大変不安になって、半分涙ながらの相談でありました。その方は、本人が頑張って十数万円の滞納金を払いますと、市との約束を改めてしたとのことでした。その他さまざまな相談が寄せられてきております。市の収納課ではこのようなケースについて、納税に振り向かせるためと言いますが、余りにもやり方がひどいと思います。だんだん気持ちが阻害されるやり方ではないでしょうか。

 市は言います。先日の答弁でも国民健康保険は独立採算制であり、国保世帯は約3分の1、あとの3分の2の人たちは違う、一般会計からの繰り入れは国民健康保険税が赤字だからといってやることはできないと、それが正しい理解でしょうか、私はそう思いません。国民健康保険は先ほど述べたケースのように、国民皆保険として全ての人たちの受け皿となり、下支えしている医療保険制度です。だとしたら、高過ぎて払い切れないこの保険制度に、全市的な観点から手を差し伸べていくのが正しいやり方ではないでしょうか、ぜひ発想を変えていただきたい。市は市民の暮らし、命を守る責任を果たすべきだと思います、どうでしょうか。

 ここで、1つ目にお聞きいたしますが、平成23年度決算では約7億円の黒字となりました。これは、赤字になるので17.4%値上げした、この理屈は成り立たなくなります。値上げした根拠は崩れたと言わなければなりません。今回の平成24年度末の見込みでは7億7,300万円で、平成23年度の経験でいいますと、平成20年度からは値上げもなされておりますので、もっと残るのではないかと予測されるところです、どうでしょうか。このお金を平成25年度予算等に投入すれば、平成24年度に17.4%の引き上げがなされた国保税をもとに戻すことが可能ではないでしょうか、ぜひそうするべきと考えますが、お聞きいたします。

 次に、市がさきの国民健康保険運営協議会に諮問した佐野市国民健康保険事業中長期基本計画案のことであります。内容は計画期間を平成25年から平成34年までの10年間として、不足分を2年ごとに税率を見直しをしていくこと、一般会計からの特別繰り入れは、平成24年度、25年度限りとすることなど、これは実質保険税値上げを前提とした計画案と言わなければなりません。これが市が出した中長期基本計画案です。2月1日の運営協議会では、市がこれを意見を聞いた上で採決するとしておりましたが、これについては異論があり、反対の声も相次ぎ、保留としました。市民の今の生活状況はそんなに甘い状況ではないのです。市当局にお尋ねいたしますが、この計画案は白紙撤回すべきではないでしょうか、お聞きいたします。

 次に、最初に述べましたように、今国保税値上げの一方で、依然として徴収強化が行われております。市民の所得が減る中で、今のやり方では市民をピンチに追い込むだけではないでしょうか、どうでしょうか、もっと収納問題で本人たちと向かい合った親身なやり方ができないのでしょうか。分納している人に対しての差し押さえはやり過ぎではないでしょうか。これができないということは強制的に取るということ、これ以外に考えられないということでしょうか、お聞きいたします。

 次に、国が減らしてきてしまった国庫負担、以前は全体の45%でありました。今は23.7%と大きく減ってきております。これが今国民健康保険の大変な保険税の引き上げにつながっている根本問題であり、保険税が値上げされてきている状況になっております。引き続き国に国庫負担の増額と、そして特別な予算措置をとらせることなどを求めるべきではないでしょうか。そして、国が必要な措置をとらないのであれば、今平成24年、25年と繰り入れております特別繰り入れ、それぞれ1億7,800万円を増額すべきではないでしょうか。市にはさまざまな基金があります。市民の命や健康にかかわるこの国保に使うべきではないでしょうか、どうでしょうか、お聞きいたします。改めて言います。市は市民の命や暮らしを守る責務を果たすべきです。

 2つ目に、医療費無料化の年齢引き上げと重度心身障害者医療窓口無料化についてお聞きいたします。佐野市では中学3年生までの医療費の自己負担がない完全無料化が実現してきております。そして、平成25年度からは窓口での無料化が実現することになりました。私は私自身も議会で取り上げて求めてきたことでもあり、善処していただいたことにまず敬意を表したいと思います。しかし、残念ながら市内の医療機関に限るということでありました。日光市ではこども医療費助成制度について、新年度から窓口無料で、そして市内医療機関から全県域に広げるとのことです。なぜ本市ではそうならなかったのでしょうか、市外への医療機関でも該当させることが必要と考えますが、どうでしょうか。さらに、県内でも矢板市など、18歳までの医療費の無料化が実現してきております。本市でも医療費無料化の年齢引き上げを行うべきと考えますが、どうでしょうか。

 次に、重度心身障害者医療助成制度の窓口無料化についてであります。これについても今までも取り上げてまいりました。重度心身障害者医療助成制度は、重度心身障害者、身体障害者1級から3級、また療育手帳Aの人たちが対象とされております。やはり宇都宮市や日光市では窓口無料が始まっております。そして、日光市ではこども医療と同様に、県内どこの医療機関でも対象にするとのことです。無収入や低所得者の人たちにとって、多いこの重度心身障害者医療助成制度を受けている方々からして、必要な医療を受けられる命綱だと思います。この窓口無料化を実現させるべきではないかと思いますが、どうでしょうか、お聞きいたします。

 3つ目に、学校教育についてお聞きいたします。教育は全ての子供が持っている成長、発達の可能性を保障するための社会の営みです。とりわけ小中学校教育は全ての子供の基礎的学力を保障し、子供たちが社会の主人公として行動できる能力の基本を身につけることを助ける責任を負っております。いかに子供の成長を支え、発達を中心に据えた教育の場にしていくのか、大事なところだと思います。しかし、国の教育予算の水準の低さ、改悪された教育基本法による競争と管理を今まで以上に強め、子供に学校を息苦しい場にしてきているのが実情ではないでしょうか。また、この間の雇用の破壊や構造改革等によって、子供の貧困を広げてきていることは軽視できません。

 1998年5月には、日本政府は国連の児童権利に関する委員会からの勧告を受けております。その内容を紹介いたします。「高度に競争的な教育制度並びにそれが結果的に児童の身体的及び精神的健康に与える否定的な影響に鑑み、過度なストレス及び登校拒否を予防し、これと闘うために適切な措置をとるよう勧告する」としております。日本の教育予算の水準はGDP比3.4%で、OECD所得で最下位、各諸国平均の7割にも達しておりません。今多くの教育関係者は一致して教育予算の増額を求めております。また、少人数学級は子供と向かい合って丁寧に育てていくために必要な条件であり、先日の私の平成25年度佐野市予算大綱の質疑の際にも、県が行っている35人学級の拡大は、市としても要望を出していくとの教育長さんからの答弁をいただきました。そして、父母の負担というのも大変な状況であります。

 私が思い起こせば、小学校に入学するときに、やっと教科書が無償化になったのを今でも覚えております。昭和30年か35年あたりのときであり、あれから半世紀以上たっておりますが、中学校の給食などが始まっている状況は進んできていると思いますが、なかなか時代が変わっても余り教育環境は動いていないのが実情ではないでしょうか。乳幼児期教育もそうでありますが、義務教育の家計への負担は重過ぎます。私たち日本共産党市議団がこの間行ってきた市民アンケートにも、やはり同様に少子化対策で一番求められているのは保育園や教育の負担軽減でありました。高校生とそれ以上の進学となれば、その負担はもっと重いものになってきます。先日の情報ですと、高等学校に在学する者の授業料等の滞納にかかわる生活福祉基金、教育支援資金とも言いますかが、平成21年度から23年度までの特別措置から、授業料滞納などによって高等学校を卒業できない生徒に対する貸し付けが、平成20年度も延期されたとのことです。これは朗報ではないでしょうか。よく「15の春を泣かせない」という言葉がありましたが、18の春を泣かせない措置であります。国も今の状況を鑑み、そして関係者など大変運動も繰り広げられたその結果の措置ととらざるを得ません。

 ここで、1つ目にお聞きいたしますが、平成20年度から国の法律の一部改正により、教育に関する事務の点検、評価報告書が議会提出とともに公表されることになりました。この中を見て保護者の負担軽減を求める課題があるように私は感じました。この報告書で触れておりますのは、児童生徒入学支度金支援事業と奨学資金貸付事業のみであります。ここでお聞きいたしますが、準要保護に関してであります。準要保護の基準枠拡大の必要性と、そして制度を保護者などにきちんと公表し、必要な人が受けられるようにすべきではないでしょうか。この就学支援制度、援助制度、準要保護は、義務教育に通う子供の命綱であります。今子供の貧困の広がり、就学援助を強めなければならないときに、国は就学援助の国庫補助制度を廃止してしまいました。自治体の努力で行っているのが実情となっています。

 また、高等学校や大学等への進学するための奨学資金の件数拡大についてであります。この報告書の中では、申し込み件数47人のうち、予算の関係で35人にしか貸与できなかったとしております。枠拡大の必要性を感じますが、どうでしょうか。さらに、給食費など義務教育の無償化の方向への考えをお聞きいたします。これは全国でも1割の自治体が義務教育無償化の方向に進んできている状況が今あるということです。

次に、若田部議員も取り上げておりましたが、いじめの問題についてであります。全国でもこのいじめ問題が深刻な状況であります。大津市で中学2年生の男子生徒が自殺したケースがありました。これらのこともあり、朝日新聞の昨年9月6日の記事でわかりますように、文部科学省でも動き出したようです。国主導で全公立中にいじめ相談員を配置すること、スクールカウンセラーを公立中へ全校配置することなどが載っておりました。今いじめから子供の命を守るいじめ対応の基本原則の確立が重要なようです。いじめへの対応を後回しにしない、子供の命最優先の原則、安全配慮義務を明確にすること、いじめの解決には情報を共有すること、いじめをとめる人間関係の確立、被害者の安全を確保し、加害者にはいじめをやめるまでしっかり対応する。そして、根本的にはいじめの解決に取り組むための環境の整備などです。もちろん教職員の多忙化の解消なども重要なことではないでしょうか。   ここでお聞きいたしますが、本市での実態と対策についてはどうでしょうか。そして大事なことは、この間各現場でいじめを解決し、子供の命を守ったケースなどが、取り組みなどが相次いでしているということであります。これは先ほど教育長さんからもご答弁がありました。国のほうでは先ほど述べたようないじめ相談員の配置、スクールカウンセラー、全中学校への配置等対策が強まっておりますが、本市ではどうでしょうか、お聞きいたします。   次に、体罰についてであります。これも大阪市の問題を受けて、今栃木県が全小中学校の保護者や児童生徒、また各学校に対してでもそうでしょうが、実態調査を行っているとお聞きいたしました。体罰と教育とは相入れないものと考えます。その立場でいかに教育の現場から体罰をなくしていくか重要と考えます。本市での実態と対応についてお聞きいたします。

 最後に、多忙をきわめる教職員の問題であります。教員に対して労働安全衛生法の適用や心の健康づくり計画が機能しているのかどうかという問題であります。子供と教育の危機が今進行する中で、今を生きる子供たちにふさわしい学校をどうつくっていくのか、この中の重要な問題として、教員が教育者として誇りと喜びを持って仕事に取り組めているのかどうかという問題があると思います。しかし、教員の中に中途退職者が目立ってふえている。精神性疾患による休職者が数年間で倍増するなど、これまでなかったような状況が起きているようです。これは教員の多忙化、超過勤務の中にありながら、子供と触れ合う時間や授業準備の時間がとれないことなど、さまざまな問題が指摘をされてきております。こういう中、この間文部科学省は、「労働安全衛生法等の一部を改正する法律等の施行について」という通知を出しております。平成20年4月からはそれまで50人以上の事業所で適用だったものが、それ以下でも適用させるようになったこと、長時間労働者への医師による面接指導の実施についてという内容のものであります。

 ここでお聞きいたしますが、教員の労働安全衛生法適用や心の健康づくり計画がきちんと機能しているのでしょうか、そして現場に徹底しているでしょうか。市内での教職者の実態についてはどうでしょうか。労働時間把握を法は義務づけておりますが、面接指導を受けた教職員はいるのでしょうか、そのため手続はどうなっているのでしょうか。この法律の中身には、月100時間以上超過勤務をした人には面接指導を、専門家による指導をすべきだということが載っております。また、休職された教職員はその対象になっているのかいないのかについて、佐野市の状況についてお聞きいたします。前回の質問から六、七年たっていると思います。早急な規則等の整備など、実効あるものにしていくべきと考えますが、どうでしょうか。勤務時間把握の実施、全教職員への周知等、対応を強めていくべきではないかと考えますが、どうでしょうか。これは設置者であります小中学校については市の教育委員会、そこに義務があるということになります。

 以上で1回目の質問とさせていただきます。ご答弁をよろしくお願いいたします。

〇副議長(青木栄吉) 当局の答弁を求めます。

 まず、教育長。

(教育長 登壇)

〇教育長(落合一義) 岡村恵子議員の一般質問にお答えいたします。

 まず、準要保護の枠拡大と制度の公表につきましては、適用基準といたしまして、生活保護法に基づく保護の停止、または廃止、地方税法に基づき市民税の非課税、減免などの措置を受けた人、その他経済的に困窮しており、就学に支障があると思われる方などからの申請により、その世帯の家族状況、勤務状況、収入、健康状態など総合的に判断をし、準要保護制度を適用しております。枠拡大につきましては、国の生活補助基準の見直しによる影響などを見据えながら検討したいと考えております。また、「広報さの」、ホームページへの掲載、各小中学校より児童生徒の保護者へ、また地域の民生委員、児童委員さんの相談などにより制度の周知をしていただいております。

 次に、奨学資金の拡大の必要があると考えるが、どうかでございますが、奨学資金貸与希望者の増加に対応するために、奨学金貸与規制を改正し、平成23年度から5人増の45人枠に拡大するとともに、新規貸付者の予算額を230万円増額し、貸し付け希望者の増加に対応してまいりました。当分の間推移を見守りたいと考えております。また、今後の方向性としましては、教育の機会均等の観点からも貸与希望者の動向を注視するとともに、財政状況なども勘案しながら奨学資金の貸し付け枠について検討していく必要があると考えております。

 次に、給食費などの義務教育の無償化の方向への考えを聞きたいにつきましては、学校給食における経費の負担は、法令により施設及び設備に要する経費並びに運営に要する経費を市の負担とされています。しかし、食材費である学校給食費は保護者負担とされておりますので、受益者負担として給食費をいただいております。現時点では学校給食費の無償化を実施する予定はございませんが、国、県、近隣市町の動向を注視してまいりたいと考えております。

 次に、本市でのいじめの実態についてお答えいたします。本市では平成24年7月から平成25年1月までの7カ月で96件のいじめを認知しています。いじめの解消率は96.9%であります。平成23年度同時期の認知件数は36件、いじめ解消率は94.4%となっていますので、昨年度の同時期と比較しますと、いじめ認知件数は60件の増加、いじめ解消率は2.5%の上昇となっています。今年度の本市におけるいじめ認知件数は大幅に増加しておりますが、このことは教員、児童生徒、保護者のいじめに対する意識が高まり、各学校では友人同士のトラブルなどもいじめとして認知し、きめ細かく捉え対応したものと考えております。

 次に、いじめ問題に対する対策については、1点目として、いじめに関する実態把握のために、各小中学校からのいじめの状況など、報告書により1カ月に1回各学校の状況を把握し、状況によっては報告の追加を求め、指導助言をしております。2点目として、教育委員会による学校訪問の際に、いじめ、不登校の状況と取り組みの説明を受けるとともに、必要に応じて対応のあり方を指導助言しております。3点目として、県教育委員会と連携した取り組みとして、いじめ、不登校など対策チームによる学校訪問を全小中学校を対象に行い、いじめや不登校など学校で抱える課題について状況把握に努めるとともに、必要に応じて県教委とともに支援、助言を行っております。

 次に、相談員、スクールカウンセラーの配置などの対策については、先ほど若田部議員の一般質問でもお答えしましたように、現在本市では市内7中学校を拠点として計14の小中学校にスクールカウンセラーを配置しております。ご指摘の国のいじめ対策関連事業によるスクールカウンセラーの本市への追加配置は現在未定ですが、今後の国の動向を注視していきたいと考えております。なお、本市としましては、学校に配置しているスクールカウンセラー、心の教室相談員、子どもと親の相談員、教育センターの臨床心理士、教育相談員らの外部人材を活用した教育相談を充実させ、連携を強化しながらいじめの早期発見、早期対応に努めていきたいと考えております。

 次に、体罰に係る本市での実態と対応についてお答えいたします。体罰につきましては、学校教育法第11条に定められているとおり、いかなる場合においても行ってはならないものと認識しております。体罰に係る実態把握については、全ての児童生徒、保護者及び教職員を対象として現在調査を行っている最中です。調査結果が出るのは3月末の予定です。結果に対しては分析し、自信と誇りを持って子供たちに向き合える教師を目指し、体罰防止に取り組んでまいります。なお、市内小中学校において、合併後8年間で2件の学校での体罰が報告されております。

 続いて、教員の労働安全衛生法適用や心の健康づくり計画が機能しているのかとのご質問にお答えします。労働安全衛生体制の確立に向けて、本年度は文部科学省で作成されたリーフレット、「学校における労働安全衛生管理体制の整備のために」を市内全校に配布しました。その活用状況を調査したところ、管理職と衛生担当者、衛生推進者とも言いますが、その間で情報を共有したり、コピーや回覧で教職員に周知したりするなど、全校で活用が図られているという回答がありました。また、佐野市公立学校教職員心の健康づくり計画に基づき、教職員が教育活動に専念できるよう、安全衛生管理者である校長に対する指導、衛生推進者に対する研修などを進めているところです。さらに、栃木県教育委員会においても、新任の管理職や事務長などを対象としたメンタルヘルス研修を実施するなど、心の健康面に配慮した対策を講じております。

 次に、市内での休職者の実態に関するご質問ですが、2月19日現在休職中の教員は数名おります。体調を崩した原因は個人によりさまざまですが、仕事に対する自信喪失や人間関係などに悩み、精神性疾患に至ったケースもあります。現在休職中のほとんどの教員が、管理職や同僚の協力のもとに職場復帰に向けた取り組みを行っているところです。

 次に、面接指導を受けた教職員はいるのかとのご質問ですが、時間外勤務の超過を理由として体調を崩し、面接指導を受けた教職員はおりません。また、時間外勤務が月100時間を超え、かつ疲労の蓄積が認められる教職員については、市の産業医に面接を受けるよう指導してまいります。なお、現在休職中の教職員は、体調を崩した原因が時間外勤務の超過とは別のところにあり、産業医ではなくスクールカウンセラーや学校医、あるいは公立学校共済組合の指定機関である医師やカウンセラーに面接相談をした方がおります。

 次に、規定などの整備、勤務時間把握の実施などのご質問にお答えいたします。まず、勤務時間の把握につきましては、現在教職員個々の勤務時間は校長が把握し、本人へ指導することになっております。教育委員会としましては、警備システムのロックと解除の時刻を把握しております。また、教職員の勤務時間の割り振りは、年度当初に各学校から提出してもらっており、変更が生じた場合も随時変更届で教育委員会として確認しております。また、規定などの整備につきましては、平成18年11月24日に作成した佐野市立学校教職員安全衛生管理規程があります。その中で常時50人以上勤務する学校には産業医を置くことと規定しています。今年度50人以上勤務している学校はないため、産業医は置いておりません。しかし、教職員が心身の健康面において相談したい場合には、佐野市でお願いしている産業医に相談できる体制を整えております。今後も教育委員会としまして、会議や研修会の見直しを行ったり、超過勤務の縮減について管理職から教員に指導するよう指示したり、教職員のメンタルヘルスケアに努めていきたいと考えております。

 以上、答弁とさせていただきます。

〇副議長(青木栄吉) 次に、健康医療部長。

(健康医療部長 登壇)

〇健康医療部長(広瀬浩一) 一般質問にお答えいたします。

 国民健康保険につきまして、まず24年度決算でも2月時点で7億7,300万円の基金保有状況となるとのこと、このお金を投入すれば、引き上げられた保険税をもとに戻すことは可能ではないか、保険税の引き下げを行うべきではないかにつきましては、基金の本来の目的は、保険給付費、後期高齢者拠出金、介護納付金等の納付に不足が生じた場合に充てるものでございます。今後の国保運営の安定性、継続性を考えますと、必要かつ十分な基金を保有しながら運営を行っていくべきであると考えております。また、基金を投入して保険税を引き下げたといたしましても、今後医療費はふえる見込みでありますので、一方国庫補助金等の増が見込めない現状では、基金が底をついてしまいまして、前回同様急激な増税を求めなければならないことになると思われます。

 次に、市が提出した中長期基本計画の内容は、不足分は税率改正で対応するとしている。この計画案は撤回すべきではないかにつきましては、前回の国保運営協議会で保留とするとの答申をいただきました。中長期計画の策定は急激な財政変更を避けるため、安定的な国保運営を目指して策定するものですので、内容につきましては、中長期計画の位置づけや税率改正ありきといった表現、保険事業の強化等の部分の見直しを図りまして、国保運営協議会の委員の皆様のご意見をいただきながら今後策定を進めてまいりたいと考えております。

 次に、国が減らしてきた国庫負担金をもとに戻すこと、国に特別な予算措置をとらせることなど、引き続き国に求めるべきではないのかにつきましては、本市におきましては、以前より国に対しまして、県市長会を通して、医療保険制度の一本化の実現と国民健康保険への財政支援拡充の要望を行ってきております。また、国保中央会では各保険者も同行いたしまして、国会議員への陳情を行っております。引き続き安定的で持続可能な制度運営が図れますよう要望してまいりたいと思います。

 次に、一般会計からの特別繰り入れを増額すべきではないか、さまざまな基金があるが、そのお金を市民の命や健康に係るこの国保に使うべきではないかにつきましては、予算大綱質疑で市長が答弁いたしましたが、法定外の繰り入れをした場合、市民の約3分の1の国保加入者の納めるべき国保税の一部を、約3分の2の国保以外の健康保険加入者の市民の方々が、自分の保険料以外にも負担することになりますので、現行制度の中では法定外の繰り入れは避けるべきであり、国民健康保険事業は特別会計を設けて運営しておりますので、国保税や国庫負担金などの収入で保険給付費などの支出を賄うことが本来の運営であると考えております。また、市の所有しております基金につきましては、それぞれの事業の目的に応じまして積み立てられているものであり、それぞれの事業で目的達成のために今後も活用されるものと考えます。

 以上、答弁とさせていただきます。

〇副議長(青木栄吉) 次に、総合政策部長。

(総合政策部長 登壇)

〇総合政策部長(飯塚 久) 一般質問にお答えいたします。

 保険税値上げの一方で徴収強化が行われている。市民の所得が減る中で、今のやり方では市民をピンチに追い込むだけではないか、もっと本人たちと向かい合った親身なやり方ができないのかにつきましては、収納対策につきましては、税負担の公平性が損なわれることのないよう、法令に基づき適切に対応しているところでございます。しかしながら、生活や営業が困難な方、真に生活に困窮されている方々に対しましては、納税相談を通して生活実態の把握に努めながら、適切な納税指導を行っております。

 次に、分納している人に対しての差し押さえはやり過ぎではないかにつきましては、分納はやむを得ない事情により、どうしても納付期限内に納付できない方へ認めている一時的な措置でございます。分納を認めた場合でも、財産があるかどうかの確認の調査は行っておりまして、財産が発見された場合には、滞納者の納税に対する意識や分納納付の履行状況などを勘案し、やむを得ず差し押さえを行うこともございます。また、平成24年度に提起されました佐野市国民健康保険運営協議会の答申の中に、附帯意見として、「国民健康保険税の収納は今後も目標を定め、全市を挙げ収納率向上に取り組まれたい。長期にわたる滞納者には今まで以上に厳しい規定で対応されたい」とありますので、真に生活に困窮されている方々に対しましては、一定の配慮はしつつ、今までの収納対策をさらに強化し、取り組んでまいりましたし、今後も収納率向上に向け取り組んでまいりたいと考えております。

 以上、答弁とさせていただきます。 〇副議長(青木栄吉) 次に、こども福祉部長。

(こども福祉部長 登壇)

〇こども福祉部長(安部武雄) 一般質問にお答えいたします。

 こども医療費無料化の年齢引き上げと重度心身障害者医療費の窓口無料化についてでございますが、まず18歳までこども医療費助成を引き上げるべきと考えるがどうかのご質問でございますが、本市のこども医療費助成制度につきましては、平成22年度に対象を中学校修了まで拡大し、実質的な医療費の無料化を図りました。そして、本議会において、3歳未満だった現物給付を中学校3年生まで引き上げる条例改正及び関連予算の上程をしたところでございます。このことは助成申請の手間を省き、子育て世代の負担軽減に資するものと考えております。18歳までの引き上げをということでございますが、今回現物給付の対象年齢を中学3年生まで引き上げることといたしましたので、当面は対象を義務教育修了までと考えております。

 次に、中学校3年生までの窓口無料化が、平成25年度より実現するが、市内の医療機関に限るとしている。市外の医療機関でも該当させることが必要と考えるがどうかとのご質問でございますが、現在3歳未満の現物給付につきましては、県内統一の制度として県内の医療機関を対象としております。3歳以上につきましては、現物給付の対象医療機関を県内全域に広げた市もあるようでございますが、これはそれぞれ市の地域性や医療機関の設置状況もあるものと考えております。本市の場合は平成23年度のこども医療費助成件数の約95%が市内の医療機関を受診しておりましたので、今回の現物給付の年齢拡大に当たっては、市内医療機関を対象としたものでございます。市外の医療機関等を受診した場合は、これまでどおり市の窓口にて医療費助成の申請をしていただきたいと考えております。

 次に、重度心身障害者医療費の窓口無料化についてのご質問でございますが、本市では償還払い制度となっており、市長会等を通じて現物給付制度導入を検討すべきと、これまでも県へ要望しておりました。その結果、平成24年7月から県障害福祉課を中心に、本市を含め7市町の所管課長が出席する検討会が設置され、意見交換等が始まったところでございます。検討会では宇都宮市が昨年の10月から現物給付制度を導入にしましたので、今後導入に伴う医療費の伸びによる財政負担増やその他の検討課題等が明らかになると見込まれることから、宇都宮市の実施結果を踏まえた上で継続して検討していくことになりました。今後はこの検討会の結果や県内の動向を見ながら検討していくとともに、引き続き県へ要望してまいりたいと考えておりますので、現状では市単独で現物給付制度を導入することは難しいものと考えております。

 以上、答弁とさせていただきます。

〇副議長(青木栄吉) 以上で当局の答弁は終わりました。

 1番、岡村恵子議員。

(1番 岡村議員登壇)

〇1番(岡村恵子)

 それでは、2回目の質問をさせていただきます。

 ただいまの答弁の関連で、子供たちの医療費の窓口無料の問題と、それから重度心身障害者医療の窓口無料の問題であります。これは今のご答弁ですと、市内に限定したというのは、95%の医療機関を使っていると、県内全体に広げたのは地域性があるというご答弁でしたが、これは大変利便性という点では、やはりそういうことであれば、実際市外に自治医科大学附属病院とか獨協医科大学病院とか、そちらのほうに通わせている子供たちもいますし、これはやはり今のお話ですと、市内に限定する必要はなかったというふうに私は感じました。ぜひこれは市内ということに限らず、ぜひもっと利便性の広がるものに検討していただきたいと、これ2回目質問させていただきます。

 それから、重度心身障害者医療の問題も、これは宇都宮市が、あと日光市が始めたということで、それが先ほどの内容ですと、試験的なというか、その様子を見てという、そういうことでしたけれども、ですけれども、やはりこども医療費が窓口無料が実現できたわけで、これはできないはずはないというふうに私思っているのです。そういう点で何が障害なのか、やはりどうして進められないのか、その辺それぞれご答弁をいただきたいというふうに思います。

 それから、国民健康保険のことですが、これは相変わらず石のように動かないご答弁でありました。13.数%の、その生活費から見て大変な保険税の金額になっているという、それはぜひ市長にもお聞きしたいのですが、ぜひその辺で、市民の生活実態から見てこの辺のやはり救済といいますか、やはり特別繰り入れはどうしても必要になってくるのではないかというふうに思いますかので、その辺再度お聞きしたいと。

 それから、中長期計画案については、これはもう一度見直すということですが、ぜひやはり税率に頼るという、今までの内容とはやはり大きくさま変わりしていただかなければ、やはりこの計画というのは値上げ前提の計画になっているということですので、その辺ぜひしっかりと市民の立場に立って検討していただきたいと。

 3分の1の人たちだと、国保に入っているのは。3分の2の人たちとの絡みでということでしたが、先ほど来私はあるケースを述べたということは、誰でもやはり国民健康保険、これは皆保険としてやはり入る、皆保険ですから。先ほどは社会保険から雇用の関係で離脱になって国保に入ったというケースでしたが、やはりそれは、その発想をぜひ変えていただきたいということを意見として述べさせていただきました。これもぜひ市長に、この辺ぜひお聞きしたいというふうに思います。

 それから、教育環境の問題、教育の問題、大変詳しくご答弁をしていただきました。ぜひ引き続いて全力を挙げて子供たちのため、また教職員のメンタルヘルスケアなどにつきまして、やはり取り組んでいただきたい。これは要望とさせていただきます。

 以上で2回目の質問とさせていただきます。

〇副議長(青木栄吉) 当局の答弁を求めます。

 こども福祉部長。

(こども福祉部長 登壇)

〇こども福祉部長(安部武雄) 2回目の質問にお答えいたします。

 市内の医療機関に限ったのか、市外の医療機関になぜできないのかという点等でございますが、これにつきましては先ほど申し上げましたけれども、こども医療費の助成件数が約95%だったということでございまして、そういうわけで市内の医療機関ということで進めさせていただいたわけでございますが、市外、あるいは県内の医療機関への拡大につきましては、今後県内市町の状況を見ながら検討していきたいと思います。

 次に、重度心身障害者医療制度についてでございますが、先ほど申し上げましたように、県の障害福祉課が中心となりまして、県内で統一できないかということでいろいろと検討を始めたところでございます。ですから、そういう意味で検討結果を踏まえて、また県内の動向を踏まえながら進めたいと思っております。理由としましては、やはり財政的なものもございます。単独ですと、県補助金と関係もございますので、そういうこともあります。そういうわけで、先ほど申し上げましたように、県のその検討会の結果を待ちながらまた検討していきたいと思いますので、どうぞご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

 以上、答弁といたします。

〇副議長(青木栄吉) 次に、健康医療部長。

(健康医療部長 登壇)

〇健康医療部長(広瀬浩一) 2回目の質問にお答えいたします。

 特別繰り入れにつきましてでありますが、前回の繰り入れにつきましては、税率改正による被保険者の保険税の負担軽減を図るための財源として繰り入れたものでありまして、国保の制度上、歳出の不足を補う歳入が国保税に求めるものであると考えております。また、24年4月26日の国保運営協議会の答申書にも附帯決議といたしまして、改正税率の急激な上昇の緩和策として、平成24年度、25年度の2年度一般会計からの繰り入れに頼らざるを得ない状況になってしまったことに鑑み、その間徹底した国民健康保険税の収納確保及び医療費の抑制に取り組み、国保財政の健全化に努められたいということで、24、25ということで健全財政のために進めていきたいと考えております。

 また、中長期計画につきましてでございますが、これにつきましては長期的な国保運営の重要な指針となるものと考えておりますので、ぜひ計画案の内容を検討いたしまして、国保運営協議会のご意見をいただきながら策定していきたいと考えております。

 それと、3分の2以外、要するに国保被保険者以外の方にご迷惑をかけるというようなことでありますが、それにつきましてはあくまでも国保会計は特別会計で運営しておりますので、国保の中で賄うのが原則だと考えております。

 以上、答弁とさせていただきます。

〇副議長(青木栄吉) 以上で当局の答弁は終わりました。

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