交付税算定の見直しについて
新たな広域連携と定住自立圏中心市宣言の中の集約とネットワークについて
子ども・子育て新制度について
学童保育の問題

議会報告・2014年(H26)第3回定例会
9月 11日(木)質問と答弁(全文)

一般質問と答弁
〇19番(岡村恵子)

 それでは、ただいまから一般質問を行わせていただきます。

 1つ目に、交付税算定の見直しについてお聞きいたします。総務省は、合併した市町村の合併算定替えである地方交付税の算定方法を平成26年度から段階的に見直すことを決めました。地方交付税については、本市においても合併10年間は合併算定替えで1市2町が合併していないときの交付税の合計で算定されておりましたが、合併して11年目に当たる来年度からは、段階的にその金額が9割、7割、5割、3割、1割と年々引き下がり、5年の後には一本算定になっていく予定であったわけです。本市で金額でいいますと、合併算定替え1市2町の合計ということでは、地方交付税は平成26年度には約70億9,000万円ということでしたが、一本算定になりますと約17億9,000万円、約18億円になりますが、これだけ減り、約53億円になるところでもあったわけです。これは、市の試算によるものですが、全部で5年間で約18億円が減るところでした。ですから、市当局は合併算定替えが終了した今後の財政運営のために戦々恐々としてさまざまな対策をとってきたと思います。

 しかし、今回の見直しがなされ、1つ目には合併市町村の旧市町村役場を支所として、その機能維持の費用を平成26年度、今年度から算定に加えること、2つ目には人口密度による需要の割り増し、これは合併により市の区域が拡大したことにより増加が見込まれる経費を反映すること、3つ目にその他であります。今回のこの見直しについては、合併したからといって地域住民のコミュニティーの維持や防災上の問題などから、旧市町村役場を支所として残さなければならないという問題、地元住民のために福祉、保健センターなどの機能を落とすわけにはいかないとした合併した自治体からの切実な声があり、総務省がそれに応えた形となったわけです。

 合併した全国の市町村では、総務省に対し、昨年10月には263自治体の長でつくる合併算定替終了に伴う財政対策連絡協議会が新たな財政措置を早急に講じるよう求めるなどとした要望書を提出しています。県内9市の長、もちろん佐野市長も要望を出した一人に入っております。これらの動きを受けて総務省は、ことし1月24日に国から地方への新年度予算案の説明において、平成の大合併後、合併算定替えの特例期限が切れ、5年間の激変緩和期間に入っていく団体がふえることに対応して、算定方法の見直しを行うこと、平成26年度以降5年間かけて見直すと正式に実施と時期が発表されました。支所については、今年度から財政措置がなされました。その金額は、市の資料によりますと、本市で約2億円が加算されました。さらに、消防や保健、福祉サービスなど、合併による合理化が難しい経費を反映させるものについては、今年度中に検討されるとされました。そして、これらについても来年度から反映されるということで、これも大変な削減緩和策になります。今までの地方交付税は、市として約70億円で、当初の見込みより減額幅が約40%から50%を縮小されることになったという試算が出ております。全体で佐野市では約7億円から8億円が毎年上乗せされるということですので、年々の財政に大きくよい意味で影響してくると思います。

 ここでパネルで見ていただきたいと思いますが、これが地方交付税の金額でした。今まで70億円ぐらい佐野に来ておりましたが、これが10年間ずっとこれを保ち続けるということで、佐野市は来年度から段階的にこの太い線のところで一本算定といいまして、下がる予定でした。これが先ほど言いましたように、約53億円ぐらいの金額だったのです。それが今回の見直しでは、一番のその5年後の一本算定の金額が、ここに引き上がりまして、これが支所分とか、先ほどさまざまな行政サービスのために保ち続けるということが総務省が決めました。ですから、この階段のなだらかになりまして、これが毎年ここではなく、この金額が佐野市に来るということになったわけです。これは佐野市の財政にとっても大きなことだというふうに思います。地方交付税は一般財源ですから、ですからその7億円、8億円の金額が来るとなれば、大変なその考え方に違いが出てくる。そして、この支所分のものについては、平成26年度に既に来ておりまして、約2億円ということが財政課のほうでも回答がなされているところです。

 改めてここでお聞きしたいというふうに思うのですが、このことにより本市では今までの一本算定の減額と比べ、幾ら緩和されることになる見通しなのか、市当局のお考えをお聞きしたいというふうに思います。今回の見直しは、合併した市町村の財政運営にとって目をみはるような重要事項と言えます。5年間の削減が緩和されるだけではなくて、今説明しましたように、その後の財政が大幅に底上げされることになったわけですから、地方交付税という一般財源がふえることになったわけですから、市の財政にとって、そして何より市民の今後の生活にかかわるサービスについてのプラス面ではないでしょうか。市当局は、これからの財政運営について、今までの考え方を覆すことになったのではないでしょうか。また、覆さざるを得ないことと思います。今まで交付税が削減されるので、これでは大変であるということで行政改革、また基金のため込みについて熱心に取り組んできたわけです。ですから、市民サービスの充実に充てるとか、これまでの財政運営のやり方、考え方に変化があってもいいのではないでしょうか。その辺についてお聞きいたします。

 合併して財政を理由とした住民サービスや福祉施策の削減がなされてきました。まず、その実態がどうであったでしょうか。そして、今消費税の増税などで市民生活は逼迫している状況にあります。今回のこの交付税算定の見直しによって、今まで削減された住民サービスや福祉施策の拡充に充てていくべきではないかと考えます。どうでしょうか。

 2つ目に、新たな広域連携と定住自立圏中心市宣言の中の集約とネットワークについてお聞きしたいというふうに思います。佐野市は、6月定例市議会で定住自立圏中心市宣言を行いました。国の定住自立圏構想の報告書では、少子化、高齢化と人口減少など、もはや全ての市町村にフルセットの生活機能を整備することは困難であるとし、人口5万人以上の中心市に周辺地域の住民の分も含めて都市機能を集約し、周辺住民が活用するものとしております。

 本市の宣言は、特例としてあります合併した佐野市としての1市での宣言となったわけですが、旧佐野市を中心地域、旧田沼地域、旧葛生地域を近隣地域と位置づけられておりますので、定住自立圏の他のまちなどとの協定を結ぶ先ほど述べたやり方と考え方は同じになると思います。さらに、安倍政権は、2014年の骨太方針で少子高齢化と人口減少に対応するとして、新たな広域連携を打ち出しております。この新たな広域連携の制度は、第30次地方制度調査会の答申によって提言されております。これを具体化した報告書では、人口減少、少子高齢社会でも経済を持続可能なものとし、国民が安心して暮らすには、核となる都市やその圏域を戦略的に形成することが必要だとして、市町村が単独であらゆる公共施設等を備えるといったフルセットの行政から脱却し、市町村間における新たな広域連携を推進することが必要だとしております。

 新しい点は、1つ、連携協約制度の創設であります。地方公共団体間で締結できる新たな仕組みであり、自由度の高い柔軟な連携を可能とするものとしておりますが、これは改正地方自治法に盛り込まれ、連携協約制度が創設されました。そして、第31次地方制度調査会では、人口減少社会に対応した地方行政のあり方の検討に入ったとしております。そして、本市でも公共施設等総合管理計画の政策に取りかかっております。国からのこの管理計画作成の要請も、施設更新費に事欠く厳しい財政と少子高齢化による広域的視野で計画をつくることは必須の課題となっています。そして、公共施設の除却について地方債の特例措置を創設し、推進しようとしております。

 ここでお聞きいたしますが、本市の定住自立圏中心市宣言の中には「集約とネットワーク」と表現され、どこでも安心して住める市などと言っておりますが、この宣言を行った意図はどこにあるのでしょうか。そして、市当局は今後どのような方向で行こうとしているのか、お聞きしたいというふうに思います。

 これらの意図するところは、公共施設や行政サービスの拠点の統廃合であり、これらは行政サービス等が後退しかねないと考えますが、どうでしょうか。本議会に定住自立圏形成方針案が出されましたが、この中にはさまざまな項目の具体的事項が盛り込まれております。しかし、項目というだけで具体的内容は何ひとつ示されておりません。それぞれの方向性というものをお示し願いたいと思います。

 最近示された市の定住自立圏形成方針案では、幾つかの項目が挙げられている中で、教育環境の充実という項目の中で、ここでも機能分担と称し、中心地域、近隣地域と区別しております。この中で大変気になることがありました。既に最近住民懇談会の中で発表された市立小中学校適正規模・適正配置基本計画(案)であります。子供の数が減ってきているとして、複式学級の解消として小中学校の統廃合計画が打ち出されました。この内容は、葛生地区では葛生中学校を拠点として小学校4校、中学校2校を統合して、約400名規模の施設一体型の小中一貫校に、田沼西地区を田沼西中学校区の小中学校、小学校7校、これは田沼小は一部でありますが、田沼西中1校を統合して600人から800人の、やはり施設一体型の小中一貫校にするという内容でありました。検討委員会の中でさまざま検討してきたということは承知しております。私は、議事録も要求いたしまして、読ませていただきました。

 ここでお聞きいたしますが、よい環境が子供たちに保障できるのかという問題です。そして、またもう一面では、若い人たちが住みづらい環境をつくってしまうことにならないか、この視点からもどう考えるでしょうか。そして、また定住自立圏構想方針の中には、他の事項も同様に進んでいくことが考えられ、過疎化が進んでいくことにつながらないでしょうか、その辺お聞きしたいというふうに思います。

 3つ目に、子ども・子育て新制度についてお聞きいたします。来年度から導入されるとしております新制度について、今議会に条例案も出されてきております。先日、条例案に対する鶴見議員の質疑に対し答弁は、今度の制度は不足しているゼロ歳、1歳、2歳の待機児童を解消するために、この制度がつくられてきている旨の答弁をしておりました。

 確かに国は、その理由で進めてきて、無理にでも制度開始をしたいとの考えです。しかし、多様な施設、多様な基準で保育の格差が生まれる問題、豊かで安全な保育が保障されていくのかという問題などは解決されないまま進められてきているところに大きな問題があるというふうに思います。小規模保育など地域型保育事業は、一部を除き、保育士の資格がなくてもよい、研修だけでよいとなっていて、保育の質の低下、それにとどまらず、子供の命にも直結する問題であるというふうに思います。そして、1歳児について市の保育園は4対1でやっております。これは現場の方々が6対1では無理だとして、市は措置をとっているわけです。民間の保育園は県単補助事業がありますので、3対1で行っております。しかし、今回の条例案には6対1になっている問題などが含まれております。これでは安心できる保育とは言えません。また、公立保育園との格差が生まれてしまうのではないでしょうか。どうして水準を引き上げられなかったのでしょうか。保育の水準を上げていく努力がどうしても必要と思います。どうでしょうか。

 また、必要な保育の時間を認定で決める問題、企業参入に道を開いた点、保育園以外事業者との直接契約制度であることなど、また保育園に満杯で入れなかった場合は、市はあっせんする利用調整することなど、さまざまな問題があります。この子ども・子育て新制度に関して、子ども・子育て会議の中で現場の人たちはどのような危惧の声を上げていたのでしょうか、お聞きいたします。

 今回の議会に条例案が出されております。この制度が始まったときに、豊かで安全で安心の保育環境を担保できるのかという問題です。この辺もどうでしょうか。市の条例案の中に国基準より安心の保育のために上乗せした部分はあったのでしょうか。ぜひお答えしていただきたいと思います。全国の自治体の中では、この新制度に欠陥があるということで、それぞれの条例について上乗せ措置をとっております。本市でも極力安心できるものにするべきではないでしょうか。

 最後に、学童保育の問題です。この学童保育につきましては、国の段階で基準をつくったことは大きな前進だと思います。今議会に条例案も出されております。しかし、指導員の生活を保障させる財源措置がなされていないなどの欠点もあります。今回6年生までの受け入れが義務づけされました。5年の間に1,000名の枠拡大が必要であるとの答弁でした。6月議会で余裕教室使用の提案をしましたが、その後の検討状況はどうでしょうか。しかし、全児童対策である放課後子ども教室との一体化を再び国は言い出しております。この全児童対策との統合は何としても避けるべきです。どうお考えでしょうか。

 以上で1回目の質問とさせていただきます。

〇議長(山口 孝) 当局の答弁を求めます。

 まず、教育長。

(教育長 登壇)

〇教育長(岩上日出男) 岡村恵子議員の一般質問にお答えいたします。

 私からは、新たな広域連携と定住自立圏中心市宣言の中の集約とネットワークのうち、田沼西地区及び葛生地区で各地区1校にするのは若い人たちが住みづらい環境をつくってしまうことにはならないかについてお答えいたします。

 今回市内22カ所におきまして、佐野市立小中学校適正規模・適正配置基本計画(案)についての地域懇談会を開催しましたが、この適正規模・適正配置基本計画の策定趣旨は、児童生徒の減少による小中学校の小規模化が進行していることから、未来を支えていく子供たちのよりよい教育環境を整備し、教育の充実を図るという視点に立ち、策定を進めているものでございます。計画案では、田沼西地区と葛生地区においては、現在本市で推進しております小中一貫教育の最も効果的な施設一体型の小中一貫校を新設することにより、魅力ある学校の創設と複式学級の解消を図ることをお示しさせていただいております。複式学級を持つ小規模校の地域におきましては、複式学級に通わせることよりも、適正な教育環境の学校で教育を受けさせたいという思いを持つ保護者がふえてきておりまして、居住する選択条件の一つとして学校が含まれてきているという認識が高まっているように感じております。そのため、通学可能範囲内に魅力ある学校が創設されることにより、子供を持つ若い方々が地域に残るという条件の一つになるのではないかと考えております。

 なお、懇談会を通して地域では学校統合により地域の拠点となる学校がなくなることへの不安や心配などを抱えているところですが、それ以上に子供たちの学習環境を整えるために複式学級解消は喫緊の課題であると認識をしていることを感じております。

 以上、答弁とさせていただきます。

〇議長(山口 孝) 次に、総合政策部長。

(総合政策部長 登壇)

〇総合政策部長(飯塚 久) 一般質問にお答えいたします。

 初めに、総務省が地方交付税の算定方法を今年度から見直すこととしたことにより、従来の減額と比べ幾ら緩和されることになるのかにつきましては、合併団体に対する基本的な考えとして、市町村の面積が拡大するなど市町村の姿が大きく変化し、特に合併市町村においては災害時の拠点としての支所の重要性が増すなど、合併時点では想定されなかった新たな財政需要が生じており、これらを算定に反映することにより、平成26年度以降5年程度の期間で見直しを行うこととされております。総務省が示しております方針は、支所に要する経費の算定について、平成26年度から3カ年かけて先行的に実施することとして算定方法が示されております。また、合併により市町村の区域が拡大したことによる人口密度等による需要の割り増しや地方交付税の算定の標準団体の面積や施設費の見直しについては、平成27年度以降順次交付税算定に反映することとされておりますが、具体的な算定方法は未定でございます。

 そこで、平成26年度から3カ年として実施されております支所に要する経費の算定の合併算定替え逓減への影響額を平成26年度ベースで試算いたしますと、合併算定替えが終了する平成32年度には見直しがなかった場合には17億9,214万8,000円の減額となったところ、見直しにより15億8,675万円の減額となり、2億539万8,000円の削減が緩和されることになります。なお、本市に影響があらわれるのは、合併算定替えの段階的縮減期間が始まる平成27年度からでございます。

 次に、今回の見直しでこれからの財政運営について行政改革や基金の考え方に変化があってもいいではないかにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、合併算定替えから一本算定となる間の削減額の緩和とともに、一本算定の底上げがされたものであり、普通交付税の減額に対する改革、改善を行う必要があると考えております。

 また、財政調整的基金につきましては、平成25年度末残高が55億3,232万6,000円で、県内14市で多い順から7番目でございます。財政調整的基金とその他の特定目的基金の合計は、106億8,360万5,000円で、県内で6番目でございます。人口は5番目ですので、他市と比較して基金の残高が潤沢とは言えないと考えております。

 なお、平成26年度におきましても庁舎建設基金を取り崩す予定もございますので、現在高は減少傾向にあるものと考えております。

 また、合併算定替えの終了による交付税の逓減は、総務省の見直しによりこれまでの見込みよりは緩和されるものの、15億8,675万円の減額と試算されておりますので、行政改革に引き続き取り組んでいく必要あるものと認識をしております。

 次に、今回の交付税算定の見直しによって、今まで削減された住民サービスや福祉施策の拡充に充てていくべきではないかにつきましては、これまで制度改革に基づく住民サービスや福祉施策の見直しを行ってまいりました。時代に合った制度改正の一例を申し上げますと、多額な一般財源を投入してこども医療費助成制度の対象を中学3年生までに拡大し、現物給付方式として子育ての負担感を軽減するなど、子育て環境の改善の取り組みをしてまいりました。今後も子育て環境の充実に努めてまいります。総合計画の36施策につきましては、それぞれ本年度から4年間の総合計画後期基本計画に基づきまして効率的、効果的に取り組み、施策方針の実現を図ってまいりたいと考えております。

 次に、定住自立圏中心市宣言の中で「集約とネットワーク」と表現されているが、今後どのような方向で移行するのか。これらの意図するものは公共施設や行政サービスの拠点の統廃合であり、行政サービスが後退しかねないと考えるが、どうかにつきましては、6月議会で鶴見義明議員の一般質問にお答えしたとおり、定住自立圏構想では集約とネットワークの考え方に基づきまして、中心地域においては圏域全体の暮らしに必要な都市機能を集約的に整備し、近隣地域においては必要な生活機能を確保し、農林業の振興や豊かな自然環境の保全を図るなど、相互の地域が特性を生かし連携協力、機能分担することにより、圏域全体の活性化を図ることを目的としております。   また、公共施設の統廃合につきましては、圏域全体のバランスや役割分担を考慮し、今後市有施設のあり方に関する基本方針を策定する中で検討すべきものと考えておりますので、本構想の中での検討は想定してございません。   次に、定住自立圏形成方針案の中は、さまざまな具体的事項が盛り込まれているが、それぞれの方向性は何かにつきましては、今議会に議案として提出をいたしました定住自立圏形成方針案でございますが、定住自立圏構想推進要綱に掲げられた3つの政策分野についての中心地域と近隣地域における連携する具体的事項と機能分担を明確にしたものでございます。それぞれの方向性はとのご質問でございますが、定住自立圏形成方針案は本年度からの佐野市総合計画後期基本計画における各施策の取り組み内容を踏まえた方向性となっております。

 なお、具体的な事務事業につきましては、今後定住自立圏形成ビジョン策定委員会を立ち上げ、策定する予定となっております。

 次に、他の事項もどのように進んでいくかで過疎化が進むのではないかにつきましては、先ほどお答えしましたように、近隣地域においては必要な生活機能を確保し、農林業の振興や豊かな自然環境の保全を図るなど、相互の地域が特性を生かし、中心地域との連携協力、機能分担することにより、圏域全体の活性化を図ることを目的とした取り組みでございますので、過疎化を食いとめるための取り組みとして進めるものでございます。

 以上、答弁とさせていただきます。

〇議長(山口 孝) 次に、こども福祉部長。

(こども福祉部長 登壇)

〇こども福祉部長(藤井謙一) 一般質問にお答えします。

 子ども・子育て新制度に関し、子ども・子育て会議の中でどのような危惧の声があったかにつきましては、新制度によって多様な施設で保育の受け入れが行われた場合、現在認可保育園で行われているような保育の質が確保されるのかというようなご意見がございました。子ども・子育て会議では、各委員の積極的な参加により、本市の全ての子供の幸せを願う思いがあふれた活発な意見交換が行われております。

 次に、この制度が始まったとき、豊かなで安全で安心な保育環境を担保できると考えているのかにつきましては、子ども・子育て支援のための安定的な財源が確保され、保育所、認定こども園、幼稚園、地域型保育事業など、保護者のニーズに合った多様な教育、保育施設、保育事業により、豊かで安全安心な保育環境を提供できるものと考えております。

 また、国基準に上乗せしたものはあるかにつきましては、乳幼児の安全確保のため、家庭的保育事業と小規模保育事業C型において、常時2人以上の職員が置かれるよう国の基準に対して上乗せをしております。

 次に、学童保育について、余裕教室使用の検討状況は、全児童対策である放課後子ども教室との一体化は避けるべきではないかにつきましては、先発の議員にもお答えしましたが、子供の安全のためにも学校教育に支障が生じない限り余裕教室等を利用することで、現在教育委員会及び学校と協議を進めている状況でございます。

 また、放課後子ども教室との一体化でございますが、放課後児童クラブと放課後子ども教室それぞれの趣旨は、放課後児童クラブについては放課後留守家庭となるおおむね10歳未満の児童に対し、適切な遊び及び生活の場を与えて健全育成を図るものであり、また放課後子ども教室は1年生から6年生の全部の児童を対象として、地域の方の参加を得てさまざまな社会体験、交流活動や学習の機会を提供するものであり、週1回から3回の活動を行っております。したがいまして、現状ではそれぞれ運営方法が異なることから、一体型での実施は当面難しいと考えております。

 以上、答弁とさせていただきます。

〇議長(山口 孝) 以上で当局の答弁は終わりました。

 19番、岡村恵子議員。

(19番 岡村議員登壇)

〇19番(岡村恵子) ご答弁いただきました。まず、教育長から先に答弁されましたので、その部分から再質問させていただきます。

 今お答えいただいたのですけれども、検討委員会の議事録を全て見させていただいたのですが、まず財政問題についてのことはどうなのかと委員から質問があった。確かに子供の教育のことを中心に議論をすべきだというふうに、流れとしてはそうなっていましたが、でも市が提起したことでは、やはり財政問題というのが入っていたというふうに認識をいたしました。

 それで、この統廃合と小中一貫校のことで、このような指摘もあります。「小中一貫教育は、基本的に学校統廃合の問題と思っていい。統廃合を小中一貫教育とすることによって、教育的効果が上がる、エリート校になる、きれいな校舎になるという、そのように言うと、保護者会の反対を抑えることができる。通常の統廃合であれば、十分なケアや住民の合意が必要だが、小中一貫教育ならこれを省くことができる。小中一貫教育は、親の反対を抑え、コスト削減ができるなど、行政側にうまみがあるが、教育を受ける側にはない。小中一貫教育や4・3・2制による教育的効果については、関係者以外の第三者によって教育学、心理学に基づいて検証されておらず、国際的に見ても発達段階の異なる初等教育と中等教育の接続はあり得ない」と、これは和光大学の山本教授という方がこのようにある場所で発言をしております。

 ですから、議事録を読ませていただいたときに、残念ながら佐野市のこの検討の中の流れも同じようなことが述べられているところが大変気になりました。やはり小中一貫校にすると、そういうことにすれば、統廃合のことというのがやはり同じような考え方で本当に進められたなというふうに認識しております。その辺どうお考えか。

 そして、また委員のほうからは、この検討委員会の中で、地域の衰退の心配も述べられているが、その中で回答が、それらについての深い分析もなかったような気がしております。また、小中一貫校については、現在はまだ制度化されておりません。今は中央教育審議会の中で義務教育の早い段階から生徒を学校間の競争に拍車をかけるものという、そのような疑問点も出され、今まだ制度化するにはやはりいろいろ慎重な検討が必要だという段階であります。

 ですから、ほかの全国の小中一貫校に取り組んでいる自治体が今ふえておりますが、そういう段階での取り組みということになるということについて、どのようにご認識をするかということです。お聞きします。

 それから、複式学級を解消するということで、先ほどのご答弁の中でも子供たちが少ない中で複式学級になっている、これをやはりよりよい環境をつくっていくと、本当にそういう点ではそのようなことで対策をとったことだとおっしゃっておりました。しかし、その基本的には、例えば教員をふやして複式学級を解消させるという方策もあったのではないかと感じるのですが、その辺どのように考えるか、お聞きしたいというふうに思います。

 また、住民懇談会の中では、「優秀な教師を配置します」という教育委員会からそのように述べております。このような無原則な市教育委員会、このようなことを懇談会で言っているということ、これ自体は大変な佐野市の教育にやはり一方では小中一貫校、それから一方では今までどおりのということに現在なっていますから、その辺のことについてどうお考えか、お聞きしたいというふうに思います。

 その小中一貫校に統合することで、地域に残ることに魅力あるよりよい環境の中で魅力ある学校で学べれば、地域に残ることになるのではないかという、そのような先ほどご答弁でした。しかし、この統廃合はその小中一貫1校になってしまうという点では、子供はその地域のことを知らないで育つということは、指摘もされております。その辺お答えしていただければというふうに思っています。

 それから、保育の問題ですけれども、さまざまなニーズの中で保育が保障できるのだというふうなお答えでありました。しかし、待機児童解消という問題では、足りていないのは認可保育園なのです。保育の質が確保されていないのではないかというふうな現場の人の声がある中で、今回この新しい制度が条例で出ておりますけれども、上乗せをした部分があるというところについては、多分家庭的保育、小規模保育の単独で保育士の保育訓練した方、保育士ではありません、それを複数にするというふうなことでありましたが、しかしそれがもし改善ができたのであれば、例えばほかの点で保育資格をしっかり持っている人を配置するとか、ほかの部分でも、それから小規模保育事業の中でほかの自治体でもB型については保育士の資格を持っている方2分の1が基準ですが、3分の2にするなど、やはりより安心できる保育にするために各行政が努力をしていると。ですから、その意気込みが今必要だというふうに思うのです。その辺上乗せができたのですから、ほかの部分もできないはずないと思いますので、その辺お答えしていただければというふうに思います。

 佐野市は、十数年前ぐらいに、公立保育園で死亡事故が起きております。ですから、それ皆さんご記憶にあると思うのですけれども、やっぱり市内でこのように子供が保育の間に亡くなるという事故が起きてはならない市をつくるという、そういう決意が求められるのではないかと思っております。その辺再度お聞きしたいというふうに思います。

 それから、学童保育についてですが、先ほどのご答弁の中では、放課後子ども教室の一体化は当面難しいという言い方でした。しかし、当面ということは、これはあり得るということでとれる話なのですね。そうではなくて、やはり全児童対策の預かるだけの保育、自由に子供たちが集まる場所ということでの放課後子ども教室と、また学童保育というきちんと今回条例で基準があって、資格を持った方々がちゃんと対応すると、そういう学童保育とはやはり違います。全国で一体化して取り組んできたところというのは、もう子供たちが嫌になってしまって、やはり残ったのは学童保育の子供たちだけだと。やはりこれは無理がある話だと思うのです。その辺ぜひもう一度答弁をお願いしたいというふうに思っています。

 それから、定住自立圏の問題なのですが、これは今注意が必要なのは、田所議員も質問していましたが、創成会議提案ということで、これは地方中核都市に資源や政策を集中的に投入して行う地方制度改革が行われる動きがあると。政策的に行っていくのだと。ですから、周辺部の小さな市町村は、自治の権限とか財源を失い、人口減少を加速させる方向での国の動きがあるという中で、将来はそういう加速をさせて道州制を新たな自治体再編の動きをつくっていくと、そういう人口減少の中での狙いというのが動く中で、先ほどどの地域でも佐野市内安心できるやはり地域をつくっていくのだということは、そのことには私も大賛成でありまして、ですからぜひそのようなことで進めていただきたいと。

 また、中心市宣言をすれば、これ質疑で聞きましたけれども、特別交付税で毎年8,500万円のお金が来ることになります。ですから、問題はそのお金の使い方も、大型の何か事業をやってしまうとか、道路をやってしまうとか、そういうことではなくて、やはり住民が住みやすい、そういうお金の使い方をしていただきたいですし、今全国の中で子育て支援や、また農業の栽培とか、それを営んでいる人たち、安全な食料を発信したいという人の中で、小さなまちでも人口がふえていると、Iターン、Uターンといいますけれども、そういうやはり佐野市をにらんでつくっていくということがとても重要な課題になっているのではないかというふうに思っています。

 また、地方交付税の削減の問題ですが、これはどちらにしても削減するのだということではなく、7億円ぐらいが予定よりも毎年上乗せされたという見方で見れば、やはりこれはしっかりと先ほど言ったような地域住民が住みやすい、佐野市に住んでよかったというところにお金を使うべきだというふうに思いますので、その辺ぜひお答えをいただきたいと思います。

 以上で2回目の質問とさせていただきます。

〇議長(山口 孝) 当局の答弁を求めます。

 ただいまの質問の中で検討委員会の議事録の内容については新たな事項と受けとめますので、取り上げることはできません。ご了承願います。

 まず教育長。

(教育長 登壇)

〇教育長(岩上日出男) 2回目のご質問にお答えいたします。

 小中一貫校は制度化されていないと、これを用いることについてはどういうお考えかということでございますが、現在昨年までのデータですと、約130校全国に特認校を設けて小中一貫の一体型の施設で行っておるというデータをいただいております。そのうちの127校が施設一体型の小中一貫校を行っていると。この成果は非常に目覚ましいものがあるというふうに伺っております。その魅力ある学校で、子供たちの教育の環境にとってふさわしいという観点から、本市では施設一体型の小中一貫校、これを制度化し、進めていくということで計画をさせていただいております。

 魅力ある学校をつくるということで、2つ目のご質問ですが、地域のことを知らないで育つのではないかというようなご質問でございますが、一貫校になることですので、これまでのように地域と密着した教育が可能かといいますと、それはなかなか難しいものがあるかもしれませんが、教育課程の中で地域の子供たちの伝統を、あるいはそれまで培ってきた各小中学校のよさを前面に生かして教育課程の中に反映してまいりたいと考えております。

 以上、答弁とさせていただきます。

〇議長(山口 孝) 次に、こども福祉部長。

(こども福祉部長 登壇)

〇こども福祉部長(藤井謙一) 2回目の質問にお答えします。

 まず1点目ですが、保育士の資格など2分の1を3分の2にするなど上乗せができるのではないかということでございます。現在保育士の数が需要に対して大変少ない状況にありまして、27年度がその不足のピークになるということでございます。それらのことなどから国のほうの基準では、B型、C型ということで保育士以外の従事者を定めているものだと思います。今回提案しております基準条例につきましては、子ども・子育て会議を今年度2回、勉強会を2回開催いたしまして、十分論議し、地域型保育事業の認可基準の内容はご理解をいただいたところでございます。

 次に、佐野市は過去に死亡事故が起きた事例があるので、さらに安全な体制で行わなければならないのではないかということにつきましては、もちろん園児の安全には十分配慮をしていきたいと思っております。

 最後に、こどもクラブと放課後子ども教室の一体化につきまして、今後はあり得るのではないかということでございます。国の放課後子ども総合プランにおきましては、一体化を進めることとなっておりますので、今後検討するということになろうかと思いますけれども、当面先ほどの理由で一体化は難しいというふうに考えております。

 以上、答弁とさせていただきます。

〇議長(山口 孝) 次に、総合政策部長。

(総合政策部長 登壇)

〇総合政策部長(飯塚 久) 2回目の質問にお答えいたします。

 定住自立圏形成方針案についてでございますが、圏域全体の発展あるいは交付税の使い方につきまして人口増につながるような、議員もご指摘のとおり、この方針に沿って圏域全体の活性化に向けまして努力してまいりたいと考えております。

 次に、地域住民が住みやすくなるような施策に緩和された財源として使うべきではないかの交付税の関係につきましては、削減額が見直されることは大変歓迎すべきことでございますが、これまでの普通交付税が維持できるものではございません。そのため普通交付税の見直し額を考慮した長期財政計画の見直しを行い、子育て支援策を始めとする市民サービスの維持に努めてまいりたいと考えております。

 以上、答弁とさせていただきます。

〇議長(山口 孝) 以上で当局の答弁は終わりました。

 19番、岡村恵子議員。

(19番 岡村議員登壇)

〇19番(岡村恵子) それでは、再々質問させていただきます。

 先ほど教育長のほうから、複式学級を教員を加配して、ふやして解消させていくことというのが筋ではないかということについての回答がありませんでした。この件をぜひお聞きしたいというふうに思います。

 それから、保育の問題ですけれども、保育士が足らない中で来年度制度がスタートすると、ですからそこに端的にあらわれているわけです。今回の新制度については大変無理があると、資格がない方々が家庭の中でとか、小規模の保育の中で、もちろんそれは講義とか受けるわけですけれども、それは本当に今までの考え方で見たら大転換だと。ですから、市は保育園のあっせんもするわけです。でも、保護者は直接契約なわけです。そういう中で子供がどういうところに置かれているのかということについては、やっぱり市は知る必要もありますし、責任もあるというふうに思いますので、立入調査とかそういうことについて、条例の中でも幾分入っていますが、しかしその辺を監視する、やはり認可するわけですから、その辺の考えを責任持ってやるのかどうか、お聞きしたいと思います。

 それから、定住自立圏の問題では、特別交付税が8,500万円来ますので、先ほど述べたような、答弁されたような趣旨に子育て支援とか、やはり定住しやすい市のために使っていくのかということでお聞きします。

 それから、交付税については、下がるけれども、今まで予定よりも7億円とか予定では引き上がるということですから、一般財源ですから、これについてもぜひ同時に、やはり先ほど答弁したかと思うのですが、再度その辺を住民のためにしっかりと使うというふうにお聞きしまして、3回目の質問とさせていただきます。

〇議長(山口 孝) 当局の答弁を求めます。

 まず、教育長。

(教育長 登壇)

〇教育長(岩上日出男) 3回目のご質問にお答えいたします。

 複式学級の解消のための教員をふやすことで対応できないかというご質問でございますが、市単独で実施するには、市で常勤講師を採用しなければなりません。採用している他市の例でございますが、1人当たりおよそ560万円ほど要しているということでございます。その市では数人を採用しておりますが、本市のようなさわやか教育指導員等の嘱託員は採用していません。1人の常勤講師の費用でほぼ5名の嘱託員を採用できることになります。本市ではさわやか教育指導員を配置したほうが教育的効果が大きいと考えておりますので、市で単独での少人数学級実施は考えておりません。

 以上、答弁とさせていただきます。

〇議長(山口 孝) 次に、こども福祉部長。

(こども福祉部長 登壇)

〇こども福祉部長(藤井謙一) 3回目の質問にお答えします。

 保育士が少ない中で無理があるのではないかということでございます。現在佐野市が考えている小規模保育施設のC型につきましては、現在認可外で行っている何カ所の保育所が移行することを見込んでおります。現在その認可外の保育園につきましても、市のほうで立入調査等を行っております。現在それらの園につきましては、ほとんど保育士もしくは幼稚園教諭で賄われておりますので、それらの認可保育園がC型保育所に移行したりする場合は、当然基準的には2分の1以上というのは最低基準ですから、だから全員が保育士もしくは教諭ということで見込んでいる、現在の認可保育園はそういうことでございます。

 それと、認可する以上必要な指導監督をということですが、それはもちろん認可する以上立入調査等必要な指導監督を行ってまいります。

 以上、答弁とさせていただきます。

〇議長(山口 孝) 以上で時間終わりました。当局の答弁を終わりにします。

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