「しんぶん赤旗7月19日付けで次の記事が掲載されましたので紹介します。
岡村けい子
2003.07/20
住民不在で合併を急ぐ,町営診療所は・・・疑問置き去り
 栃木・佐野市と田沼、葛生町

 「育み支え合うひとびと、水と緑のもとに広がる交流拠点都市」をうたい文句に栃木県佐野市と田沼、葛生両町の合併計画が進められています。総人口約12万4千人。新市の名称は「佐野市」で、2005年3月上旬合併の予定。合併協議会は「住民懇談会」を各地で始めましたが、合併への住民の不安はぬぐいきれません。

(栃木県 団原敬記者)

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山間部では過疎化すすむ

 葛生町で商店を経営する長島正雄さん(67)は「真剣に町のことを考えているとは思えない」と合併に疑問を投げかけます。疑問は町営診療所の行方です。1950年代にすすめられた合併で、当時3,500人いた人口が1,600人まで減った同町の山間部、氷室地区にあります。長島さんは「農協や郵便局も業務を縮小しているだけに、合併で先々、診療所がなくなるのではないかとても心配だ。情報を公開して住民の生の声を聞いてもらいたい」と訴えます。

 佐野市で8日開かれた懇談会。飯塚昭吉市長をはじめ市側から30人が出席。集まった住民は40人。飯塚市長は「これまでの説明会で合併反対の声は出ていない。2万人の署名を集めた住民発議による合併だ」とあいさつ。会場で放映されたビデオで立川葛生町長は「惰性から脱却するチャンス」とのべるなど合併は当然とする雰囲気がつくられています。

「合併後数年で財政困難に突入する。」合併論議に新たな一石を投じたのが、日本共産党の岡村恵子佐野市議の6月議会一般質問です。

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借金膨らませサービス低下

 02年度の地方交付税を基に合併後の財政シミュレーションを作成した岡村市議は「合併した10年間は特例措置で交付税は変わらないが、翌年から減りはじめ16年目から合併しなかった時に比べ、単年度で9億円の減額になる」と指摘。「合併後の10年間に特例債を使い、建設事業として160億を見込んでいるが、交付税で一部措置されるものの、市の自主財源持ち出しが18年間で総額約60億7,000万になる」とのべ、「合併は借金を膨らませ、住民サービスの低下をまねく。市は、情報を公開すべきだ」と追求しました。

 「岡村市議の再三の質問にかかわらず、「財政シミュレーションは10年間分だけ行った。言われるような不足額は生じない」と市側は開き直りともみえる答弁に終始しました。

 「特例債160億円で何をするのか」---- 佐野市での住民懇談会で質問が飛びました。しかし「合併した新都市計画で決めるもので今は決まっていない」と木で鼻をくくったような答弁。質問した男性(51)は「街づくりがこんなに無計画ですすめられていいのか。住民の声を聞いていない」と住民不在の合併計画に怒りをあらわにしていました。

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